初優勝の陰に“相棒”と呼ぶ練習器具 阿部未悠は右手首を「カチ、カチ」折って理想のトップを作っていた!
阿部未悠はツアー参戦3年目となった今年、4月の「富士フイルム・スタジオアリス」で悲願の初優勝を挙げた。彼女がスイングで大事にしているのはトップの形。特に右手首の動きを矯正するために「相棒」と呼んで持ち歩いている練習器具があった。 右手首を背屈しながらトップを作る! 阿部未悠のスイングを連続写真でチェック ◇ ダウンスイングを整えるためには、その準備段階であるバックスイング、そしてトップがとても大切になります。ダウンでいくら頑張っても、トップが崩れていたら良いショットは打てません。裏を返すと、理想的なトップの形さえできれば、体と手元が同調し、振り遅れないダウンスイングをカンタンに作ることができます。 ポイントになるのは右手首の使い方です。バックスイングで右手首を甲側に折るように背屈させると、両ワキの締まった理想的なトップを作れます。こうすることでフェースが開きません。反対にフェースを開くように上げてしまうと、左ワキが空いてクラブが体の正面から外れ、ダウンスイングで戻すのが難しいんです。 私は『プレシジョンインパクト』という練習器具を使って、右手首の動きを矯正しています。右手首に装着して、バックスイングで甲側に折っていくと「カチ、カチ」と音が鳴る。切り返し直後にもう一度「カチ」っと鳴らすと振り遅れません。手先でスイングしていた人は、『プレシジョンインパクト』を着けると空振りしてしまうので、体の回転で打てるようにもなります。 また、バックスイングでは左ヒザをアドレスの位置にキープすることも大事。体がしっかり捻転し下半身から切り返せる理想的なトップが完成します。ダウンスイングの再現性が劇的に上がりますよ。 ■阿部未悠 あべ・みゆう/2000年生まれ、北海道出身。21年のプロテストで合格すると、精度の高いショットを武器に22年、23年と2年連続でシードを獲得。そうして迎えた今年、4月の「富士フイルム・スタジオアリス」でツアー初優勝を挙げた。昨年から目澤秀憲氏がコーチを務めている。ミネベアミツミ所属。 ◇ ◇ ◇ ●年々飛ばなくなっているのは、トップの位置が低くなっているのが原因かもしれない。関連記事の【50代、60代は低くなりがち 両ワキを空けた「高いトップ」で飛距離アップしよう!】では、最長飛距離365ヤードを誇る高島早百合が、高いトップの作り方を紹介している。