「タモリが司会」好きな番組ランキング!…『今夜は最高!』『ボキャブラ天国』を抑えて上位に入った、タモリ大興奮の「生放送」番組
タモリが全国各地をまわってきたNHK総合の人気番組『ブラタモリ』が2024年3月9日放送分をもってレギュラー放送を終えた。タモリの冠番組では、昨年4月には40年半続いたテレビ朝日系の深夜番組『タモリ倶楽部』が終了している。 【一覧】意外すぎる結果に…「タモリが司会」の好きな番組ランキングはこちら 一昨年にスタートして断続的に放送されている報道情報番組『タモリステーション』(テレビ朝日系)もあるとはいえ、『ブラタモリ』の終了により、タモリの毎週のレギュラー番組は司会を務める『ミュージックステーション』(同上)だけとなった。 これを機に『週刊現代』が「タモリが司会の番組で好きなのは? (3つまで選択可)」という読者アンケートを行っている。当記事ではこのランキングをもとにタモリの番組を振り返ってみたい。
原点回帰を思わせた『ヨルタモリ』
10位には33票を集めて『ヨルタモリ』(2014~15年)が入った。2014年3月の『笑っていいとも! 』の終了の約半年後より、同じフジテレビ系で日曜夜に放送されたトークバラエティである。番組内では、宮沢りえがママのバーという設定のもと、毎回、タモリが常連客に扮して来店するゲストとトークを繰り広げた。 タモリはこのころ、タクシーに乗るときには運転手を相手に別人格になりすましては反応を楽しんでいると語っており、その“趣味”はここで存分に発揮されることになる。彼の扮したキャラクターのなかでも強烈だったのが「建築家の近藤さん」で、しゃがれ声の関西弁で建築論をぶつさまが、モデルと思しき著名な建築家をやんわりと批判しているようでもあり、なかなか鋭かった。 タモリがデビュー前後、新宿のバーで夜な夜な密室芸を繰り広げていたとはもはや伝説だが、この番組は設定といい、キャラクターへのなりきりぶりといい、原点帰りを思わせたところも少なくない。できることなら、またやってほしい番組の一つである。
キワモノからのイメージ転換
59票で9位に入った『タモリの音楽は世界だ』(1990~96年)は、テレビ東京系のクイズバラエティ。クラシック、ジャズ、ロックなど世界中のさまざまな音楽をテーマに毎回、アーティストをゲストに招き、タモリと一緒にクイズを出題するという形式で、もちろんパフォーマンスもクイズのあとに披露された。 タモリにとってクイズ番組の司会はこれが初めてだったという。早稲田大のモダンジャズ研究会出身で、自らもトランペットを演奏し、音楽に造詣の深い彼にはまさにうってつけの番組であった。なお、番組前期のレギュラー回答者として、タモリとは芸能界デビュー前からの遊び仲間であるジャズサックス奏者の坂田明も出演している。 8位には『今夜は最高! 』(日本テレビ系、1981~89年)が入った。獲得票数は109と、ここから3桁になる。放送開始はタモリがデビュー7年目の1981年で、今回ベストテンに入った番組では一番早い。 『今夜は最高! 』は、それまでキワモノ的な存在だったタモリが、黒いタキシードを身にまとって登場し、ソフィスティケートされたイメージへと転じる一つのきっかけとなった番組でもある。イラストレーターの和田誠の描いた摩天楼が立ち並ぶニューヨークの夜景に、実写の彼がキングコングよろしく現れるオープニングも印象深い。 番組では毎回、男女1人ずつゲストを招き、タモリとミュージカル仕立てのコントやトークを繰り広げた。土曜夜の放送で、コントは往年の名作映画のパロディが目立ち、トークはグラスを傾けながらと、大人の雰囲気が漂う、いまのバラエティにはほぼないタイプの番組だろう。ゲストには美空ひばりなど昭和の芸能史を飾るスターをはじめ、岡本太郎や野坂昭如など文化人も多く、トニー谷や藤村有弘などタモリの先達ともいうべき喜劇人が登場したことも特筆される。