【核のごみ最終処分場】玄海町長「お金目的ではない」文献調査受け入れに葛藤も 請願採択から2週間で決断 佐賀
FBS福岡放送
原発から出るいわゆる「核のごみ」の最終処分場選定を巡10日、決断が下されました。佐賀県の玄海町長は、調査の第1段階となる「文献調査」について、受け入れることを表明しました。
■玄海町・脇山伸太郎町長 「これまでの町議会での意見や、議論、加えて国からの要請を熟考した結果、文献調査を受け入れる決断に至りました。」 玄海町議会は10日午前10時から非公開で全員協議会を開き、脇山伸太郎町長は、原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場を選ぶための文献調査を受け入れることを表明しました。 議会の前では市民団体のおよそ20人が反対の声を上げました。 脇山町長は「なし崩し的に最終処分場になることはないと考えている」と理解を求めた上で「国民的議論を喚起する一石になれば」と強調しました。 文献調査は北海道の寿都町(すっつちょう)と神恵内村(かもえないむら)に続き、玄海町が全国3例目で、原発が立地する自治体では初めてです。
文献調査の受け入れを表明した玄海町の脇山町長の記者会見は、多くの報道陣が詰めかけたなか1時間ほど行われました。 脇山町長は「思い悩んだところもある」と決断に至るまでの葛藤についても語りました。 脇山町長は10日午前11時半から記者会見に臨みました。 ■玄海町・脇山伸太郎町長 「原子力発電事業に長年携わり、様々な形で国に貢献してきた立地自治体がさらに文献調査に協力することは、非常に重い決断であります。玄海町での取り組みが日本社会にとって欠かせない最終処分事業への関心が高まるのにつながり、国民的議論を喚起する一石となればとの思いであります。」 玄海町議会では4月、文献調査への応募を求める請願が賛成多数で採択されていて、5月1日には、経済産業省が町長に調査の実施を申し入れていました。 文献調査を受け入れた自治体には、最大で20億円が交付されます。反対派からは“金目当て”との声もあがっていましたが、町長はこれを強く否定しました。 ■脇山町長 「お金目的で文献調査を受け入れるものではありません。交付金のこと考えていなかったので、国ともそんな相談もしておりません。だから、もし留保できるようだったら国のほうに留保して、ただ、もらわないって形をとると次に手を挙げるところが、玄海町がもらわなかったから自分たちももらえないという流れを作ってしまったらいけないなというところは感じています。」 また、決断に至るまでの多くの葛藤についても語りました。 ■脇山町長 「やはり、住民の代表である議会の議決というのは本当に重いものだと思っておりました。板挟みで本当に、どうするべきかなっていうので、思い悩んだところもあります。」