俳優・勝村政信 「ドクターX」が終わっても…終わらない僕の中の〝加地秀樹〟 愛着のある役との共通点
映像の仕事だけでなく、舞台にもコンスタントに立っている。
「僕はもともと劇団から始めたので、舞台をやることが普通というか、やらなくちゃしようがないような気持ちでいます。でも、いつまでたっても舞台には苦手意識はありますね。蜷川幸雄と鴻上尚史という人のせいなんですけども」と真顔で言いながらも、そこには2人の名演出家への愛情がのぞく。
■2人の師匠「真逆の演出」
「2人はとにかく真逆の演出をするんです。怒鳴ってあおる蜷川さんと、真綿で首を絞めるような演出をする鴻上さんが師匠だったので、常にこのラスボスと対峙しているような感じ…たたきのめされることが多かったのですが」
面白おかしく話しながらも、「だから、今でも何かをするときは、蜷川さんや鴻上さんから、よかったって言ってもらえるような芝居ができたらいいなって思うんです」と尊敬の念を表した。
今作に限らず、医療ドラマに出ることが多いが、それが日常生活でも役立っているという。
「今まで3人くらい救ったことがあるんです。例えば、街で小さなお子さんとお母さんが歩いていたのですが、子供が白目をむいて倒れて、お母さんがパニックになってしまったんです。そのとき、とっさに子供を横に寝かして気道確保をして、救急車に電話して状況を説明しました。知人のドクターにも電話をして経緯を説明したら、『完璧です』って言われました」
ドラマで疑似体験をしていても、ここまでできるのは、すごいことだ。やはり彼の中には、加地秀樹がいるに違いない!
■勝村政信(かつむら・まさのぶ) 俳優。1963年7月21日生まれ、61歳。埼玉県出身。ニナガワ・スタジオを経て、87年に劇団「第三舞台」に入団。退団まで主要メンバーとして活躍。ドラマ、バラエティー、舞台と幅広く活躍。現在、ドラマ「マイダイアリー」(テレビ朝日系)に出演中。ドラマ「ドクターY~外科医・加地秀樹~」(テレビ朝日系)は11月30日(土)午後9時から放送。