「史上初」の映像…火炎放射器を搭載したウクライナ「海上ドローン」と、ロシア艦船の交戦の瞬間
<ウクライナの海上ドローン「シー・ベイビー」が、火炎放射器でロシアの沿岸船を攻撃する様子を捉えた映像が公開された>
ウクライナが、戦場で撮影されたドラマチックな動画を公開した。海上ドローンが火炎放射器を搭載し、ロシア艦船を攻撃した瞬間のものだという。この動画をアップしたウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問によれば、「ウクライナのドローンとロシアの沿岸船が戦闘を繰り広げる珍しい映像であり、このような映像は史上初だ」という。 【動画】「史上初」の映像...火炎放射器を搭載したウクライナ「海上ドローン」と、ロシア艦船の交戦の瞬間 船上から撮影された15秒間の動画には、空を横切る閃光が映っており、ゲラシチェンコは次のように説明している。「ウクライナのドローン『シー・ベイビー』がロシア船と対決。ドローンは方向転換し、火炎放射器で反撃した」 ウクライナのメディアは、ウクライナ保安庁(SBU)がシー・ベイビーを使って黒海の穀物輸送ルートを取り戻し、交戦地帯からウクライナの製品を輸出できるようになったと報じていた。ウクライナのニュースメディア「RBCウクライナ」によれば、シー・ベイビーは最大積載量が約860キロで、30万ドルの通信システムと火炎放射器を搭載しているという。 ロシアは2023年7月、黒海穀物イニシアチブから離脱し、その後、ウクライナのオデーサ港を爆撃したが、ウクライナは封鎖を回避し、国外への貨物輸送を続けている。 ■黒海でロシア船への攻撃を続けるシー・ベイビー SBUのワシリ・マリュク長官は、報道機関ウクラインスカ・プラウダの取材に対し、海上でのドローンの使用を増やし始めていると述べ、シー・ベイビーの搭載機器は、エンジニア、IT専門家、海洋関係者によって開発されていると説明した。「この開発に民間企業は関与していない」 マリュクによれば、シー・ベイビーは黒海地域でロシアに大きな打撃を与えているという。具体的には、2023年7月のクリミア大橋(ケルチ海峡大橋)、ロシアの揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、タンカー「SIG」への攻撃を成功させた。 また、2023年9月にはセバストポリ湾の入り口付近で、ロシア船「サムーム」がウクライナのドローンに攻撃されたほか、10月には、巡視船「パーベル・デルジャビン」も攻撃されている。さらに、軍用タグボート「ニコライ・ムラ」や、ロシアの最新鋭偵察水路調査船「ウラジーミル・コジツキー」も、ドローン攻撃を受けた。 ■ロシアは年末にミサイルやドローンによる攻撃を強化 マリュクは、ウクラインスカ・プラウダに対して、「ウクライナの黒海から、すべてのミサイル運搬船をたたき出したい」と語っている。「それが終わったら、次の標的は潜水艦だ」。ウクライナ軍は徘徊型の無人兵器「ママイ」も運用しており、これは最大約450キロの爆薬を、黒海のあらゆる地点に運ぶことができるという。 ウクライナによれば、シー・ベイビーを使った今回の反撃は、ロシアが大みそかまでの数時間、ミサイルやドローンでウクライナを攻撃したときに行われたものだ。ロシアの攻撃によって、少なくとも6発のミサイルが、ウクライナ東部の都市ハルキウを直撃している。 ウクライナの国境警備隊は、ロシアが大みそかにオデーサ州でドローン攻撃を行い、防空システムによって撃墜される動画を公開した。その前には、ウクライナ全土で18時間に及ぶ空爆が行われ、少なくとも民間人41人が犠牲になった。翌日には、ロシア国境の都市ベルゴロドへの攻撃も行われた。 (翻訳:ガリレオ)
ブレンダン・コール