葛尾トマト×小高唐辛子で「うま辛ソース」 福島・被災地から新商品誕生
唐辛子商品販売の小高工房(福島県南相馬市)が、葛尾村産の加熱調理用トマト「すずこま」と同市小高区の唐辛子を使ったアラビアータソース「おこりんぼさんのそーす」を商品開発した。いずれの食材も東京電力福島第1原発事故後、地域の新たな特産にするために栽培が始まった農産物で、「コラボ商品」を通してさらなる食材の魅力発信につなげる。 すずこまは、葛尾村の夏の涼しい気候に栽培が適していることなどから、東北大大学院農学研究科の協力で、2022年から本格的な栽培が進められている。生食用トマトと比べて水分が少なく、加熱調理でうまみが増すほか、リコピンの含有量も多いという。 小高工房でも、すずこまに着目し、地元で栽培する唐辛子を生かしてトマトソースを作ろうと23年にすずこまの栽培と商品開発を始めた。しかし、収穫前に大雨が降ったことで苗や実が全滅。商品化の断念を考えていたところ、同研究科の加藤一幾准教授から葛尾村を紹介され、ソースを共同開発した。
葛尾村復興交流館あぜりあで3日、商品の披露会が開かれた。小高工房の広畑裕子さんは「怒りたくなるぐらいの唐辛子の辛さと、トマトのうまみを感じてもいたい」、トマトを提供した葛尾むらづくり公社の松本弘代表理事は「すずこまの生産量が増え、村の基幹産業の農業の収入源につながることを期待している」と話した。 ソースはスパゲティやピザ、エビチリなどに使える。280グラム入りで1383円。あぜりあ、小高工房、セデッテかしま(南相馬市)で370個限定で販売している。問い合わせは小高工房(電話0244・26・4867)へ。
福島民友新聞