岐阜の名物「鮎らーめん」…オリジナルスープは絶品です
岐阜県内の川で取れる名物の鮎(あゆ)。塩焼きや煮付けが一般的だが、実は麺類にも合う。鵜飼(うか)いで有名な長良川に接し、古い町家が残る岐阜市の観光地・川原町の一角で営業する川原町泉屋では、「鮎らーめん」が堪能できる。
鮎らーめんはスープと中細めんの上に炭火焼きの鮎の開きが載っている。スープは金華ハムの上湯スープにカツオや昆布だし、鮎の脂や天然鮎の魚醤(ぎょしょう)などを調合したオリジナル。優しい味わいと一緒に鮎の身にかぶりつくと、香ばしい風味が口に広がる。残ったスープをご飯にかけて「鮎ぞうすい」も楽しめる。ご飯や自家製ジェラート付きの「鮎らーめん御膳」は2640円。
2005年に店舗オープン、通販も
店を営む泉屋物産店の創業は明治20年(1887年)。川魚の加工品を扱い、店内でも鮎のつくだ煮などを販売する。社長の5代目泉善七さん(58)は、「昔は『イカダバエ』(川魚)の泉屋として知られていた。お中元やお歳暮の需要が多かった」と話す。
時代の流れで商売が滞り、泉さんは一念発起して鮎料理の提供を始めた。試行錯誤を繰り返して作った料理の一つが鮎らーめんだった。2005年に、「鵜飼が有名だけれど、鮎料理の専門店がなかった」という川原町に店舗を構えた。天然鮎の塩焼きなど一品料理から、子持ち鮎のなれずしの白熟クリームなどを使った鮎ピザまでメニューは多彩。鮎らーめんや鮎ピザは通販もある。
こちらもオススメ…「登り鮎」「やき鮎」
同じ川原町には明治創業の老舗菓子店「玉井屋本舗」もある。ほんのり甘い求肥(ぎゅうひ)を、鮎をかたどったカステラ生地で包んだ伝統の銘菓「登り鮎」と焼き菓子「やき鮎」を和室で抹茶といただいた。もちっとした登り鮎とカリッとしたやき鮎の対照的な歯応えが心地よい。ゆったり味わう「呈(てい)茶」は770円。上品な季節の生菓子も選べる。
※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。
国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。