手羽先の名店「世界の山ちゃん」 入社8カ月で店長に、デザートの注文数全国2位 「幻の手羽先」新規事業
この外販事業こそ、先代がかたくなに拒んでいた新規事業。先代は、「『幻の手羽先』がどこでも食べられると、店舗を訪れるお客が減るのでは?」と危惧していたが、それを払拭したのが市原さんだった。
現在、エスワイフードの代表取締役を務めるのは、先代の妻・山本久美さん。元々は専業主婦として先代を支えていたが、2016年に先代が病により急逝、その想いを引き継ぎ、代表に就任した。
実は久美さんは、先代から“ある業務”を任されていた。 それが、2000年から手書きで作っている店舗向けの社内報「てばさ記」。結婚前、学校の先生だった久美さんは、学級新聞のイメージでこれを制作。月に1回発行し、今年6月で283号を迎える。 バックナンバーには、先代のだじゃれを記した"だじゃれコーナー"も。久美さんによると、先代はおやじギャグが大好きで、記事に盛り込んでいたという。
「てばさ記」の発行について、「先代がくれた私の大きな仕事。今でも使命感を持ってやっています」と久美さん。今も他の社員に任せることなく、自ら手がけている。
コロナ禍に会社のピンチを救った事業はもう一つ。それが、外販部とともに新設されたキッチンカー事業部だ。現在、エスワイフードではキッチンカーを4台所持しており、土日平日問わず、福岡から北海道まで、全国30都道府県を回って手羽先を届けている。
キッチンカーには店舗とほぼ同じサイズのフライヤーが設置され、お店と変わらぬ味の「幻の手羽先」を提供。多い日で約5000本、1000人前を売り上げるという。
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