地震と豪雨で被災した「もとやスーパー」に無料宿泊スペース 輪島市
石川県輪島市町野町のスーパー「もとやスーパー」内で、無料の宿泊スペースが設けられている。地区唯一の同スーパーは、元日の能登半島地震で被災。9月の能登豪雨でも被災したが、先月30日に売り場面積を縮小し営業を本格再開した。店舗の空きスペースを、ボランティアなどで訪れた人たちが宿泊できる場所として、今月上旬に整備した。 【写真】もとやスーパー内に設けられた無料の宿泊スペース=2024年12月21日午後9時8分、石川県輪島市、小宮健撮影 同スペースには、支援で集まったテントや寝具が用意されている。また、宿泊設備以外にも、地域の住民に憩いの場として活用してもらおうと、こたつなどの暖房器具や遊具、楽器などがある。 21日には、滋賀県のMIHO美学院中等教育学校の生徒と教職員、20人が来訪。翌日行う、豪雨災害で汚れた写真の洗浄ボランティア活動のため宿泊した。テントで一晩過ごした小林功季さん(18)は、家のような空間で心も体もほっこり出来たといい、「写真を元の状態に戻し、持ち主の方に喜んでもらいたい」と、真剣なまなざしで汚れを落としていた。 同スーパーの本谷一知社長(47)は、訪れた人に被災地を知ってもらったり、美しい星空を見てもらったりして欲しいとし、「人が集い、笑顔が生まれる場所にしていきたい」と話した。(小宮健)
朝日新聞社