芳根京子「音楽に縁のある人生でよかった」 ドラえもんたちと夢の共演
ドラえもんのぬいぐるみを手にとびっきりの笑顔を見せてくれた、俳優・芳根京子。「ドラえもんの映画についてインタビューを受けていること自体、不思議でたまらないです。小さかった頃の自分に言いたいですね、『将来、会えるよ、ドラえもんたちに』って」。3月1日より公開される『映画ドラえもん のび太の地球交響楽(ちきゅうシンフォニー)』で、物語の鍵を握っている歌姫ミーナの声を担当した。 【動画】『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』スペシャルPV~Vaundy主題歌Ver.~ 「幼い頃、予防接種に行く時は、ドラえもんのイラストが描かれている洋服がユニフォームでした(笑)。注射が凄く苦手だったので、ドラえもんからパワーをもらっていました」という少女は、やがて俳優になって、ドラえもん声優の仲間入りを果たした。 1980年から43作目を迎える『映画ドラえもん』シリーズ。原作者の藤子・F・不二雄さんの生誕90周年となる記念すべき年に公開される今作は、『映画ドラえもん』シリーズで初めて“音楽”をテーマにした作品。日常に当たり前のように存在する“音楽”。しかし、もしも地球から“音楽”が消えてしまったら…?ドラえもんたちが奏でる交響楽(シンフォニー)で地球を救う大冒険が始まる。 物語は、学校の音楽会を控え、のび太がリコーダーに苦戦することから始まる。のび太に限らず、演奏や歌唱がうまくできなくて、音楽の授業や音楽そのものに苦手意識を抱いてしまう子もいる。 「私も3歳の頃からピアノに触れていなかったらどうなっていたかわからないですが、家族みんな音楽が好きで、音楽に縁がある人生で良かったと改めて思いました」 学生時代は吹奏楽部でフルートを担当。一方で、16歳の時にドラマ『ラスト・シンデレラ』(2013年)で俳優デビューし、初出演で初主演を務めた映画は『物置のピアノ』(14年)でピアノを演奏する場面があった。ドラマ初主演作は『表参道高校合唱部!』(15年)で、合唱が大好きな主人公を演じた。『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』では歌を披露する役で起用された。 「『物置のピアノ』も『表参道高校合唱部!』もオーディションだったんです。『ピアノを弾いてみてください』『歌ってみてください』と言われた時に、それまで自分がやってきたことを発揮することができたのが良かったのではないか、と。音楽をやっていなかったら、『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』のお話もなかったかもしれません」。 中学卒業後の進路として、プロの演奏家を目指すことも考えたという。「プロの世界は厳しい競争の世界。人と争うことがとにかく苦手なので、プロを目指すのはあきらめたんです。なのに、音楽と関わる仕事ができている。こんな幸せなことはないと思っています」。 『映画ドラえもん』に登場するひみつ道具にまつわる質問もお約束。「ピアノとフルートのほかにもう1つ楽器ができるようになりたいと思っているんです。トランペットやホルンなどの金管楽器をやってみたいなぁって。ひみつ道具『音楽家ライセンス』を使って楽器を選んでもらうのもいいですね。楽器が演奏者に寄り添ってくれるところも魅力的です」。 ひみつ道具「あらかじめ日記」(未来の日時の日記を書き入れると、絶対その内容のとおりになる日記帳)については、本作の取材やイベントで何度も聞かれており、そのたびに答えを考えているという。「今日の日記を書くなら、『冷蔵庫の中のもので夕飯を作って、冷蔵庫の中がきれいになった』。このひみつ道具は使えば、絶対、うまくいくし、きっとおいしいご飯が食べられると思うんですよね。そういう身近な使い方がいいのかな、と思っています。『世界が平和になる』みたいな大きな夢を書きたいと答えたこともあったのですが、影響が及ぶ範囲が大きくなりすぎると取り返しのつかないことにもなりそうなので、まずは自分の身の回りから、今、この瞬間を大事にするためにひみつ道具を使いたいな、と思います」。 『映画ドラえもん のび太の地球交響楽』では、まさにのび太が「あらかじめ日記」に書いたことが、地球の危機にも発展してしまう。