早大恩師が証言。巨人のドラ2重信は伝説の青い稲妻より速い!
ただ、まだ走塁面では課題が多いという。 「うまさは松本の方がある。スラインディングも早いしね。重信にはまだそういう“術”がない」 そのために苦労し、また、バッテリーのレベルも上がることから、プロ入り当初は思うように盗塁を決められないかもしれないと監督は懸念。それでも、「非常に頭のいい子ですから、盗塁はかなりすると思う」と、確信的に言う。監督は、重信の研究熱心な一面を知っている。彼は大学時代、相手投手の癖を熱心に観察し、投球動作を始めてからボールが捕手のミットに収まるまでのタイム、そして捕手が二塁へ投げるのにかかる時間など、それらすべてを把握した上で、スタートを切ってきた。しばらくは情報をインプットするのに時間がかかっても、いずれは適応するのではないかーー。高橋監督はそれを疑わない。 さて、課題といえば、打撃の方でもまだそれが残る。 一塁までの到達タイムは、3.7秒。大リーグでもトップクラスだが、就任当時、高橋監督は不思議に思った。 「ずっと引っ張ってるんですよ」 三遊間に転がせば、ほとんどの打球が内野安打になるほどの足がある。当然ながら監督は、「お前、三遊間にゴロを打ったらどうだ」と声をかけたが、重信は、それを狙ってできなかった。 「春は、やろうしてましたね。でも出来なかった」 ただ、「それでも打率は、3割超えてますから」と高橋監督はその非凡さに唸り、新しいスタイルを模索した昨年春の打率は.313 。少しずつ狙っている打撃ができるようになった秋の打率は.432。成長の跡がそこにうかがえる。あとは、プロのレベルに置き換えたとき、どれだけ自分の打撃が出来るかだろう。 いよいよ2月1日から始まる巨人の宮崎キャンプでは、海外駐在員を諦め、野球一本に絞った重信が、どうプロに適応していくのか。その力が改めて問われる。 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)