「丸ごと一冊高田文夫」が増刷 捨てたもんじゃない紙媒体の力 宮藤官九郎との対談では「パンツを下げたコント」の話も
高田さんは本もたくさん出している。これを全部紹介したい。
「じゃ、オレが編集長をやった雑誌も載せて」
「そういや、レコードやCDも多いですよね」
「それも載せて」
「イベントのチラシもある」
「高田さん、山藤章二さんと俳句の会やってましたよね。高田さんの作った句を読みたい」
「テレビの台本も取ってあるんだけど載せてくれる?」
「そりゃ貴重です。ぜひ」
あれもやりたい、これもできるで、ページはどんどんふくらんで、300ページ超え。
「どうせなら、オールカラーに」
もう採算度外視(いや、そこは編集長としてちゃんと考えてます)。
ぼくが、感動したのは50冊以上ある高田さんの本、たくさんのレコード、CD、イベントのチラシなどの解説をすべて、高田さんがゴールデンウイークの休日を全部ツブしてご自分で書いてくれたこと。
ふつうなら、発行年月日と出版社くらいで済ますところを高田さん自身が全部、解説してくれているのだ。
当時のお笑い界の裏事情まで明かしていて実におもしろい。記録としても貴重だ。
編集者と筆者(この場合高田さん)が楽しんでつくった雑誌がよく売れている。こんな嬉しいことはないし、活字の力、紙媒体の力は、まだまだ捨てたもんじゃない。(月刊『Hanada』編集長 花田紀凱)