米ファンド、ロランDGのTOB価格を引き上げ-5370円に
(ブルームバーグ): 米投資ファンド、タイヨウ・パシフィック・パートナーズは、ローランドDGに対して実施している株式公開買付(TOB)について、買い付け価格を1株当たり5370円に引き上げる。ロランDGが発表した。ブラザー工業が予告していた5200円を上回る価格を提示し、対抗する。
発表によると、26日までとしていたTOB期間についても10営業日延長し、5月15日までとした。期限延長は3回目となる。
ブラザー工のTOB提案にディスシナジー(負の相乗効果)の懸念が払しょくされないと主張していた件については、ロランDGの存続に関わる規模で、企業価値を損なうと説明した。具体的に26年12月期決算において、営業利益で50億円の押し下げる影響があるとの見解を示した。同社製品の品質や競争力の低下などが考えられるという。
ロランDGは昨年12月、MBO(経営者が参加する買収)によるTOBを実施して非公開化を目指すとしたタイヨウをパートナーに選定。タイヨウは買い付け価格について5035円を提示していた。
一方、ブラザー工も、ロランDGとタイヨウが組む前の昨年9月、ロランDGに対して4800円でTOBを提案。3月13日には5200円の対抗TOBを予告していた。タイヨウが価格を引き上げたことで、ロランDGの争奪戦がさらに激しくなりそうだ。
買付価格の引き上げについては日経が先に報じていた。
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Yuki Furukawa, Taro Fuse