苫小牧港・西港フェリー座礁、運輸安全委が調査開始
2日未明、苫小牧港・西港の苫小牧西防波堤灯台付近で、苫小牧西港フェリーターミナルに到着寸前だった八戸発苫小牧行きフェリー「シルバーブリーズ」(8901トン)が座礁した事故で、国の運輸安全委員会は3日、事故調査官3人を現地に派遣し、調査を始めた。フェリーは予定時刻からほぼ半日遅れの2日午後0時45分、同ターミナルに到着。乗客乗員合わせて140人は全員無事に下船した。浸水や油の流出もなかった。 2日午前1時5分ごろ、同港の消波ブロックに乗り上げ制御不能となったフェリーは、潮位が上がるのを待ってタグボート4隻にえい航され、午前11時40分ごろ、船体が同ブロックから離れた。フェリーは午前1時半の到着予定時刻から11時間以上遅れて苫小牧西港フェリーターミナルに到着した。 「シルバーフェリー」を運航する川崎近海汽船(東京)は2日、苫小牧―八戸間の毎日1往復(苫小牧午前5時発、八戸午後5時半発)を少なくとも7日まで運休すると発表した。新規の予約受け付けはすでに停止している。8日以降について同社の担当者は「目視では確認したが、細かい調査はこれから行う。(調査の結果次第で)修繕の工程や修繕地を選定する」と話し、復旧の見込みは立っていない。同社はホームページ上で「大変なご不便とご迷惑をお掛け致しましたこと深くお詫び申し上げます」とコメントした。 座礁事故を受け、苫小牧海上保安署は2日、業務上過失往来危険容疑の可能性も含め捜査を始めた。運輸安全委の事故調査官は3日午前、同署に立ち寄り、事故の概況などの説明を受けた。同日午後からフェリーが停泊中の西港晴海埠頭(ふとう)に移動し、船体の調査や乗員らへの聞き取りを進める予定。
苫小牧民報