石破茂首相が「日鉄の買収承認を」と書簡 USスチール巡りバイデン米大統領に送付
【ワシントン=塩原永久】ロイター通信は26日、石破茂首相がバイデン米大統領に対し、日本製鉄によるUSスチール買収計画を承認するよう求める書簡を送ったと報じた。20日付の書簡は、日米関係強化に取り組んだバイデン氏が「積み上げてきた功績に影を落とさないよう」計画承認を要請。日鉄の買収が企業競争力を高め、米国の雇用にも貢献するとしている。 対米外国投資委員会(CFIUS)が進める買収計画の審査は12月が期限。来年1月に就任するトランプ次期大統領は買収阻止を公言しており、書簡には、就任前に買収承認に向けた審査の進展を後押しする狙いがあるとみられる。 書簡で石破首相は、日本が最大の対米投資国だと指摘し、対米投資の増加傾向を維持することが「日米同盟の強固さを世界に示すことになる」と訴えている。 CFIUSは日鉄とUSスチール双方に送った8月31日付の書簡で、買収が鉄鋼の供給網を脅かし、国家安全保障のリスクになるとしていた。