なら国際映画祭が20日開幕…2010年から8回目、河瀬直美さん「発足時に原点回帰」
2年に1度行われている「なら国際映画祭2024」が20日開幕する。23日まで国内外の監督の映画作品を奈良市内の2か所で上映。市出身の映画監督で、同映画祭エグゼクティブディレクターの河瀬直美さんは「日本ではもう見ることができない作品もあり、楽しんでほしい」と呼びかける。（有留貴博）
映画祭は2010年から開かれ、今年で8回目。世界の若手監督によるインターナショナルコンペティションをはじめ、学生コンペティションを軸に、カンヌ国際映画祭招待作品なども映される。
今回は日数と会場を絞り、期間は前回（6日間）より2日少ない4日間とし、会場も5か所で開いた前回に比べ、奈良公園バスターミナル（登大路町）とならまちセンター（東寺林町）の2か所に限定。河瀬さんは「お客さんと監督の距離が最も近かった発足当初に原点回帰しようと思った」と語る。
「インターナショナルコンペティション」もラオスやフランス、ブラジルなどで撮影された6作品に絞った。ロンドン生まれの監督が手がけた「サートゥ／うさぎ年」は少女と、若い仏教徒である孤児の2人が、ラオスを舞台に豊かな自然の風景を巡る物語だ。「鳥かごは鳥を探す」はチェチェン共和国の女性たちが自身の自由と人生を生きる権利を守ろうとする姿を描く。
一方、学生コンペティションは日本で映画を学び、海外へ発信する外国人監督らの手がけた作品を含む10本を予定。新たな才能に触れる機会となりそうだ。
映画は1プログラム1000円で鑑賞できる。河瀬さんは「映画を通して秋の奈良を楽しんでもらいたい」と話している。
レッドカーペットとオープニングセレモニーは20日夜、同バスターミナルで開かれる。河瀬さんのほか、インターナショナルコンペティション部門の審査員長を務める現代美術家・奈良美智さん、審査員で俳優の寺島しのぶさんらが参加する。日程やチケット、プログラムの詳細などは映画祭ホームページ（https://nara-iff.jp/2024/)。
映画祭での鑑賞を逃すと日本では見られなくなるものもあるという。コンペ部門のグランプリは最終日に発表される。
