藤井聡太王座がシリーズ2連勝 挑戦者・永瀬拓矢九段を破り初防衛に“王手”/将棋・王座戦五番勝負第2局
将棋の第72期王座戦五番勝負第2局が9月18日、愛知県名古屋市の「名古屋マリオットアソシアホテル」で行われ、藤井聡太王座(竜王、名人、王位、棋王、王将、棋聖、22)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に123手で勝利した。この結果、藤井王座はシリーズ成績を2勝0敗とし、初防衛に“王手”をかけた。第3局は9月30日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で行われる。 【映像】藤井王座VS永瀬九段 終局直後の表情 絶対王者の藤井王座が、永瀬九段の渾身の研究将棋を打ち破った。注目の第2局は、藤井王座の先手で角換わりの出だしに。永瀬九段は是が非でも本局でタイに追いつくべく、後手番からリターンエースを狙う研究を披露。相手の得意戦法を受けて立った上で、状況によっては一気にリードを奪うような迫力を見せていた。 繊細なかけ引きの中で永瀬九段は先手が上がった銀に目掛けて桂打ちで迫ったものの、対する藤井王座は銀取りを手抜いて攻め合いを示唆する意表の香打ちを決断。銀をタダで取らせる予想外の一手から主導権を握った。ここから藤井王座の攻勢はエンジン全開に。加速度的に後手玉へと猛攻を仕掛け、永瀬九段にプレッシャーをかけていった。受けの名手の永瀬九段をもってしても、加速度的に突き進む藤井王座を止められない。終始緩みのない、手厚い指し回しを見せた藤井王座が快勝を飾った。 勝利した藤井王座は、「角換わりからかなり激しい攻め合いの展開になり、途中は少し自信のない局面もありましたが、最後は際どく勝つことができた」とコメント。「あまり結果は意識せずに、次の第3局に臨めたらと思う」と冷静に次戦を見据えた。 この結果、シリーズ成績は藤井王座の2勝0敗に。短期決戦で連勝を飾り、早くも初防衛にあと1勝と迫った。一方、文字通りの“王座奪還”を狙う永瀬九段にとっては苦しい立ち位置に。後が無くなった次戦から、何としてでも巻き返しを図りたいところだ。若き絶対王者が決着を付けるのか、前王座が反撃を開始するのか。注目の第3局は9月30日、京都市の「ウェスティン都ホテル京都」で行われる。 (ABEMA/将棋チャンネルより)