林水福氏、源氏物語の中国語訳完成 4年かけて90万字 「古典は死なない」/台湾
(台北中央社)日本の古典文学の最高峰と言われる「源氏物語」の新たな中国語訳版が今年後半にも出版される。日本文学研究者の林水福氏が4年近くかけて約90万字の翻訳を完成させた。林氏は「古典は死なない」と述べ、自身の翻訳を通じて、より多くの人に源氏物語や日本文学の美しさを知ってもらえればと期待を寄せた。 台湾の大学で日本語を専攻した林氏は卒業後、日本に留学し東北大学で文学博士号を取得した。帰国後、大学で教えていたが、定年を迎えてからは毎日2000字のペースで源氏物語の翻訳を進めていたという。 同書の中国語翻訳を巡り、これまでにも翻訳家の豊子愷氏や作家の林文月氏がしていた。17日、中央社の取材に応じた林水福氏は源氏物語について、最も日本を代表できる作品だとした上で、古典は時の試練に耐えられると指摘。異なる翻訳者によって新たな解釈が付与されるため「古典は死なず」と話した。 林氏は「源氏物語」の他にも、日本の文学者、川端康成、谷崎潤一郎、遠藤周作、大江健三郎らの名作の翻訳を手掛けた。 (邱祖胤/編集:荘麗玲)