国際線→国内線となる機体に隠す…『金塊密輸』対策強化するも手口が巧妙化 ゴルフクラブのヘッドの形に加工も
密輸が成功した場合、10%の消費税分、およそ528万円を手にすることになります。
■5→8%の消費増税を機に押収量が増加
税関での金塊の押収量が増え始めたのは、消費税が5%から8%となった2014年からです。 ピークを迎えたのは2017年です。東海テレビがアジアの金取引の拠点、香港を取材すると、驚きの事実がわかりました。 所狭しと金の宝飾品が並ぶ、香港の目抜き通り「ネイザンロード」がある旺角(もんこっく)。店の人は、「金塊だけでなく加工品も買っていく」などと話し、当時、ほとんどの店が日本への密輸のことを報道などで知っていました。 その後、税関での水際対策の強化や、新型コロナによる渡航制限などの影響で、金塊の密輸は減少しました。しかし2023年の押収量は2022年と比べ、2倍近くになっていて、摘発件数は、約24倍にも増えています。
名古屋税関 総務部税関広報広聴室の神瀬俊彦室長は「航空旅客が回復傾向にあるところも金の密輸が増えてきた要因の1つといえると思います。価格も高騰していて、摘発件数が増えてきているので、税関としても取り締まりを強化したい」と話しています。
■巧妙化する手口…ウソのような“密輸方法”も
しかし、対策強化後は手口の巧妙化も進んでいるといいます。神戸税関では、ゴルフクラブのヘッドの形に金を加工して密輸を企てた事案がありました。
気体を圧縮する「コンプレッサー」が使われた事案では、金を部品の形に加工し、銀紙に包んで約16キロを持ち込もうとしたということです。
手荷物用のカートを悪用した事例もありました。
タイヤ部分の部品を外すと金が隠されていました。 2024年10月4日放送