鳴る電話、集会準備、名刺作り… 衆院選立候補予定の各陣営、解散日程早まり慌ただしく 青森県内
自民党の石破茂総裁が30日、衆院選を10月27日投開票の日程で行うと表明したことを受け、青森県内の小選挙区の立候補予定者らは慌ただしく準備を進めた。日程が想定より早まり、事務所開きや決起集会の準備に焦る陣営も。投開票まで1カ月を切る中、「今日からトップギア」「決まった日程でベストを尽くすだけ」と目の前に迫る選挙戦に備えた。 青森県の3選挙区に現職を擁立する方針の自民党。2区の神田潤一氏(54)の八戸市内の事務所では、事務員1人が留守を預かり、残りのスタッフが総出で選挙戦の準備に追われた。事務所開きや決起集会の日時を確認する電話が鳴り、秘書の一人は「やることがたくさんあって大変」とこぼした。 1区の津島淳氏(57)の陣営も、本人の政策を載せた名刺の作成など事務作業を急ピッチで進めた。1区選挙対策本部長の山谷清文県議は「有権者に直接政策を訴えるしかない。今日からはトップギアだ」。3区の木村次郎氏(56)の事務所も終日、選挙準備に追われた。 対する立憲民主党。1区に出馬予定の元職・升田世喜男氏(67)は青森市内3カ所で街頭演説し、27日投開票では予算委員会で議論する時間がなく、石破氏が当初示していた考えと矛盾する-と訴えた。既に同市に選挙事務所を設けており、「決まった日程でベストを尽くすだけ」と冷静に語った。 3区の新人・岡田華子氏(44)も「石破氏はご祝儀相場に乗っかろうとしているのだろう」との見方。陣営関係者は「焦っている。知名度向上に向け、積極的に街頭活動を展開する」と話した。 2区の国民民主党新人・金濱亨氏(36)は14日に八戸市で事務所開きと決起集会を行う。「常在戦場で準備をしてきた。戦う心づもりはできている」と焦りはない。 共産党から1区に立候補する新人・斎藤美緒氏(44)は「裏金疑惑や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との癒着問題に関する審議が必要だ」と強調。13日に青森駅前で決起大会を兼ねた街頭演説を予定する。2区の同党新人・久保将氏(70)も「準備を加速していく」と話し、12日に八戸市中心部で決起集会と位置付ける街頭演説を行う。唯一同党の候補者が決まっていない3区について、同党津軽地区委員会の岩城功委員長は「最後の最後まで候補擁立に向けて取り組む」とした。 3区に出馬する日本維新の会の新人・長坂淳也氏(48)は「いつ選挙が始まってもいい。望むところ」と話す。事務所開きや総決起集会の予定はなく、選挙区内を街宣カーで回り、党の姿勢をPRするつもりだ。2月に3区への出馬を表明した無所属新人・其田寿一氏(38)は「常在戦場。いつ何があってもいいように整えている。立候補するかどうかは熟慮に熟慮を重ねている」とした。