最後まで価値観を揺さぶられた…地上波ドラマとは思えない衝撃セリフとは? 『モンスター』 最終話考察レビュー
趣里主演のドラマ『モンスター』(カンテレ・フジテレビ系)が完結を迎えた。本作は、得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かうリーガル・エンターテインメント。今回は、最終話のレビューをお届けする。(文・ふくだりょうこ)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】 【写真】趣里が暴く、人の奥底にある”モンスターな一面”とは? 貴重な未公開写真はこちら。ドラマ『モンスター』カット一覧
亮子(趣里)と粒来(古田新太)が共闘
思わず、自分の価値観を見直してしまった。 産廃処理業者・サカミクリーンを相手取った裁判を展開していた亮子(趣里)。しかし、サカミクリーンを調べているうちに、原因は帝東電機が出している産廃物に原因があるということが分かる。そこでサカミクリーンの代理人・粒来(古田新太)と共に帝東電機に損害賠償請求を行うことに。 サカミクリーンの従業員だけでなく、山遥村の住人たちの健康データも必要となるのだが、住民たちは大手企業である帝東電機に非があるはずがないと、協力に応じてくれない。 ただ1つ、証拠になるとしたら10年にわたり水道水を飲み続けていた粒来が癌になったという事実だが、たった1人だけでは難しい。 亮子は、「やれることはやる」と勝利に向けて、ひとつずつ策を積み重ねていく。
地上波放送とは思えないセリフも?
『モンスター』ではどの事件に対しても皮肉が効いているな、と思うのだけれど(個人的にはそこがとても好き)、今回は痛烈だった。 亮子と杉浦(ジェシー)が住民説明会を開いたり、さくら(前田敦子)と拓未(前原滉)がビラ配りなどの活動をはじめるも、住民たちには響かない。 「帝東電機みたいな大きい会社がそんなことをするはずがない。サカミクリーンは反社だから、悪いのはサカミクリーン!」 「帝東電機が悪いことをやっているのなら、どうしてテレビでやらないんだ? 問題があるならテレビでやるはずだ!」 そう言って、亮子たちの言い分を聞き入れない。 確かに、突然やってきた亮子たちのことは信用できないだろう。しばらく村を離れていたさくらの意見も聞き入れづらいであろうことは分か る。 が、テレビの言うことは正しい、と信じ切っている人が一定層いるということはなかなかの危うさを感じられる。それを地上波のドラマで指摘しているのだからすごい。 何も、「テレビの言うことを鵜呑みにするな」と言っているわけではない。どんな事柄に対しても自分で考えてみてはどうか、という提案のようにも思える。 こういったリーガルものでは、最終回は巨悪の敵と戦い、勝利を得てエンディング…というのがベターな気もするけれど、意外にも『モンスター』はあっさりとした幕引きだった。 帝東電機側は分が悪くなると、あっさりと和解へと切り替えた。長引かせて良いことはない、ということだろう。