松重豊、40年来の友人・甲本ヒロトが手掛ける主題歌に「これぞ腹が減った」
第37回東京国際映画祭で行われた「劇映画 孤独のグルメ」ジャパンプレミア舞台挨拶に、監督・脚本・主演を務めた松重豊が登壇。観客からの質問に答えた。 【動画】「孤独のグルメ」太田光(爆笑問題)が町中華の大将に
感無量!観客の反応に「笑っていただけたのが何より」
テレビ東京の人気ドラマ「孤独のグルメ」が、主人公・井之頭五郎を演じてきた松重の監督・脚本で初の劇映画化。フランス・韓国・日本の3カ国で撮影を敢行した。 本作を観終えたばかりの観客の前に登場した松重は、「お腹が空いている時間にごめんなさい。一目散にラーメン屋に駆け込みたいと思っている方々ばかりだと思いますが(笑)」と口火を切り、「12年前にテレビ東京の深夜ドラマとして始まった小さな番組が、このような晴れの舞台で皆さんにご覧いただるというのは、とにかく感無量です!」と心境を。上映中、こっそり客席にも忍び込んだそうで、「笑っていただけたのが何よりです」と本作への反応に喜ぶ。 まずは、映画化の経緯を。2年前、ドラマシリーズが10作目の節目を迎え、続けるか、やめるかを考えた際、テレビドラマの現状も鑑み「一度仕切り直そう」と映画化を提案。「ただのおじさんが腹減って食べているだけのものをどうやって映画するんだ」と笑いを交えながら、かつて作品に出演経験のあるポン・ジュノ監督に手紙でオファーしたところ「忙しいから無理。でも完成を楽しみにしているよ」と断られ、それなら…と自身が監督・脚本を務めることになったと説明した。 観客から質問コーナーでは、いの一番に「はい!」と挙手した海外の男性から劇中音楽への質問が。ドラマの楽曲を手掛ける原作者・久住昌之率いるバンドThe Screen Tonesに加え、今回の劇映画では、松重と以前から交流のあるKan Sanoにも依頼。フランスパートの音楽は「ピアノがずっと流れてく中で物語が淡々と進んでいき、そこでちょっといろんな人の感情を呼び覚ます、そういう効果を狙いたかった」と、Kan Sanoの繊細で美しいピアノの旋律が物語を彩る。 また主題歌は、松重の40年来の友人で、自身が8mmで映画を撮り始めた時に主演を務めてくれた甲本ヒロト率いるザ・クロマニヨンズが担当。「これぞ“腹が減った”という、40年前、腹をすかしてラーメン屋でバイトしていた2人のことを思って書いてくれた曲」と、音楽へ込めた思いを語った。 韓国語を学んでいるという日本人女性からは、韓国パートへの質問が。今回、井之頭五郎が訪れるある店は、韓国・釜山の港町を色々食べ歩いた中で、「佇まいがかわいいなと思った」と松重。「オモニ(お母さん)と娘さん2人でやっているお店で、ファンテヘジャンク(疲れた胃や腸を癒し滋養強壮にきく、干しタラのスープ)が美味しい」とオススメ。本作では、全ての店の店主さんご本人が登場されているそうで、「聖地巡礼される方は非常に貴重な経験ができると思います」と孤独ファンにはうれしい情報も。
松重も「“思ってたより良かったな”という気持ちを胸に留めずに、どんどん発信してほしい」と自信を持ってお届けする「劇映画 孤独のグルメ」は、2025年1月10日(金)公開!