衆院選ダイジェスト ~激戦から一夜~ 自民1減の2議席死守 立憲が躍進
青森朝日放送
27日に投開票が行われた衆院選。青森県の小選挙区では、自民党が2議席、立憲民主党が1議席を獲得しました。激戦の記憶を振り返ります。 【神田潤一氏の当選セレモニー会場】 「バンザイ、バンザイ、バンザイ」 最初に歓喜の瞬間が訪れたのは青森2区でした。自民党の前の衆議院議員・神田潤一さんが8万2784票を獲得。初当選だった前回より4万以上票を減らしましたが、2期目の当選を果たしました。 【自民・前 2回目の当選 神田潤一氏】 「この素晴らしい選挙戦を、さらにこの地域の発展につなげていかなければならないですし、私自身の前進していく力にしていかなければならないと思っています」 自民党としては、全国的にも厳しい戦いとなった今回の選挙戦。選対最高顧問として神田さんを当選に導いた大島理森元衆院議長は、このように振り返りました。 【大島理森元衆院議長】 「本当に冷たい風の選挙でした」 「政治は多くの皆さんの力を結集しながら、実現、結果を出すものであります。それほどの決意を持ってこれから一歩一歩前進していただきたい」 立憲から公認並みの支持を受け選挙戦に臨んだ、前の三戸町長・松尾和彦さん。スタートの遅れも響き、票を伸ばすことはできませんでした。 【前三戸町長 松尾和彦氏】 「この期間中に、多くの有権者の方々からいただいた思いを国政に届けることができない、その事については大変悔しく感じております」 その他の選挙区では、自民と立憲の事実上の一騎打ちとなりました。 青森3区では、午後8時すぎに一部報道で立憲民主党の新人・岡田華子さんの当選が伝えられますが、陣営は勝利を確信できず、この時点では動きません。 県内の小選挙区では唯一、自民党の裏金問題の当事者である木村次郎さんの事務所でも、当選を祈り、開票状況を見届けます。 そして午後11時…。 岡田さんが8万6593票を獲得し、自民党の前の衆議院議員・木村次郎さんに1万票以上の差で勝利。政治未経験ながら、見事初当選を果たしました。 【岡田華子氏の選挙事務所】 「バンザイ、バンザイ、バンザイ」 【立憲・新 初当選 岡田華子氏】 「皆さんのために岡田華子、死ぬ気でやります。お約束します。これから何とかどうぞよろしくお願いいたします」 青森県内の小選挙区で、自民党以外の候補者が当選するのは、政権交代が起きた2009年以来15年ぶりです。 【立憲・新 初当選 岡田華子氏】 「期待いただいた皆さんに対して、応えていくとともに、私に対してまだまだ懐疑的な皆さんに対しても貢献できるように、これからの仕事で見せていけたら良いなと思います」 比例重複も認められず、崖っぷちの選挙戦となった木村次郎さん。「木村王国」と言われる強固な地盤をもってしても、世論の風は冷たく、3回目の当選とはなりませんでした。 【自民・前 木村次郎氏】 「私に1票を託してくださったすべての有権者の皆様方、そのご期待に応えることができず、深くお詫びを申し上げます。大変申し訳ございませんでした」 最も接戦となったのが青森1区。自民党県連の会長でもあり5期目を目指す津島淳さんと、衆院選は7回目の挑戦、元職の升田世喜男さん。 多くの市町村で開票が終わっても当選の発表はなく、勝負の行方は有権者の7割を占める大票田・青森市の開票結果に託されます。 投票締め切りから4時間以上。動きがあったのは日付が変わった28日午前0時すぎでした。 【津島淳氏の選挙事務所】 「バンザイ、バンザイ、バンザイ」 7万6265票を獲得した津島さん。青森市では、1600票ほど敗れたものの下北地方でリード。升田さんの猛追から5000票差で逃げ切り、7年ぶりに臨んだ小選挙区で勝利をつかみ取りました。 【自民・前 5回目の当選 津島淳氏】 「皆さんのお陰で勝たせていただいた、私自身はまだまだだと感じさせていただいた勝利でもあります」 「政治は国民のものと当然に掲げる自民党を取り戻す、そして政治を国民の元に取り戻す、真の政治改革を成し遂げることに全力を傾けてまいります」 一方、あきらめない男は…。 小選挙区では敗れたものの、惜敗率により比例代表で当選を果たし、10年ぶり2回目の復活です。 【升田世喜男氏の選挙事務所】 「バンザイ、バンザイ、バンザイ」 【立憲・元 比例復活当選 升田世喜男氏】 「全ての応援をいただいて、国会へ戻ることができました」 「全身全霊で頑張っていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げて、お礼のごあいさつといたします。ありがとうございました」 今回の選挙で、立憲民主党青森県連からは2人の代議士が誕生。 この躍進に立憲民主党県連の田名部匡代代表は。 【立憲民主党青森県連 田名部匡代代表】 「政治は切磋琢磨して緊張感を持ってやっていくことが、与党も良くしていくし、我々野党も政策に磨きをかけることにつながると思うので、そういう環境が県内でもできたというのは非常に大きいと思いますし、現職が増えましたので、私も非常に心強いですから一緒に頑張っていきたいなと思います」 青森県内の投票率は51.61%で、前回2021年の52.93%を1.32ポイント下回りました。