近所のバイクが夜にすごい音で走っており、かなり迷惑しています。「罰金」などの対象にはならないのでしょうか?
夜間に爆音を立てて走行するバイクは、近隣に住む人にとって大きな迷惑です。静かで平穏な環境が害されるだけでなく、睡眠妨害になるなど健康被害に直結するような可能性もあります。 可能であればすぐにでも警察にやめさせてもらいたいところですが、バイクの騒音を取り締まる法律はあるのでしょうか。そこで、バイクの騒音に関連する法律の定めや具体的な対処方法について説明します。
騒音運転の禁止違反
基本的な交通ルールを定めた道路交通法には、騒音を出して運転する行為に対する罰則が定められています。道路交通法第71条第5号の3には、運転者の遵守事項として、正当な理由がなくエンジンを空吹かししたり、急激な加速等をしたりして、大きな騒音を発生させないことを求めています。 これに対する違反には行政処分として反則金が科され、その額は、自動二輪車で6000円、原動機付自転車等で5000円です。また、刑事処分にまで至ると5万円以下の罰金が科されることになります。
消音器不備の禁止違反
バイクには騒音を低減させるために排気口に消音器が取り付けられています。爆音を立てるバイクは、この消音器に何らかの加工をしていることがほとんどです。消音器を取り外してしまったり、切断してしまったり、大きな音のするマフラーに交換したりと、わざわざ爆音を発生させるようにしています。 これについては、道路交通法第71条の2で消音器不備の禁止違反が定められています。違反に対する罰則は、騒音運転の禁止違反と同等で、反則金は自動二輪車で6000円、原動機付自転車等で5000円、罰金は5万円以下です。
警察の取り締まりが期待できない場合は運輸局へ
バイクで爆音を出す行為は道路交通法で禁止され罰則も用意されているのですから、警察に通報すれば取り締まってくれると思いたいところですが、実際には十分な取り締まりが行われないことが多いのです。近隣住民からの通報で警察官が現場に向かっても、既にバイクはその場を立ち去っていることが多いからです。 また、1台のバイクを摘発するために警察が大規模な取り締まり体制を取ってくれることは期待しにくいということもあります。暴走族が連日集会を行っているような場合でない限り、警察の取り締まりにはあまり期待できないというのが現実です。 そのような場合の代替策として、運輸局への連絡という手段があります。道路運送車両法第54条には、保管基準に適合しないバイクの使用者に対し、地方運輸局長から必要な整備を命ずることができることが定められているのです。 各地方運輸局には、不正改造車等に関する情報提供窓口があり、連絡を受けると調査を行い、バイクの使用者に整備命令ハガキを送付してくれます。ただし、運輸局が対応するのは不正改造を伴う場合のみであり、運転の仕方などが原因の騒音については対処しないので注意が必要です。