スクリーンガイド／犯罪都市　ＮＯ　ＷＡＹ　ＯＵＴ

　世の中は、やってはいけないことであふれている。でも、人前でキスなんてするもんじゃないけど、熱いキスをしている人がいたら、温かい気持ちで見守りたいし、ケンカだと聞けば飛び出していくのが人の常。映画の中では、そんな「やってはいけないけど、やってみたい」ことを全部、肩代わりしてくれる。 【写真】基地問題「沖縄の人たちの声から現実が見えてくる」　ドキュメンタリー映画「沖縄狂想曲」 太田監督に思いを聞く 　昔はどうだか知らないが、今の時代、警察官が一般人にどう喝したり、拳を振るったりなんてことをした日には大問題。だけど、この映画の主人公マ・ソトク刑事は、全てを許されている。 　ちょっとでも反抗的な態度を取ろうものなら、一般人でも容赦なく丸太のような太い腕から、ためらうことなく鉄拳を振り下ろす。どんなに恐ろしい悪者でも、無敵のマ・ソトク刑事の手にかかれば秒殺。現実にはあるわけないからこそ、映画を見ている間はとても爽快。（桜坂劇場・下地久美子） ◇同劇場で16日から