都庁で「注文をまちがえる料理店」 小池知事も来店、認知症の人が接客
21日の「世界アルツハイマーデー」に合わせて東京都は17日、都庁職員食堂で、認知症の人がホールスタッフとして働き、注文や配膳を間違えても受け止める「注文をまちがえる料理店」を一日限定で開いた。認知症への理解を深め、寛容な社会づくりを目的に一般社団法人注文をまちがえる料理店が行っているもので、2017年6月に始めてから50カ所以上で開かれている。 同日はランチタイムに小池百合子知事、職員の計40人が来店した。60~80代の認知症のスタッフ11人が接客し、支援者の助けを借りがら注文を聞いたり、料理やドリンクを運んだりした。初めてスタッフとして参加する人が多く、始めは緊張していたが、慣れてくると職員に話し掛け、笑顔で楽しく会話する様子も見られた。デザートが出てこなかった職員が追加でお願いすると「間違っちゃったわ」と言って持ってきてくれたという。 22年11月時点で都内の要介護(要支援)認定者のうち認知症の人は約49万人で、40年には約57万人に増加すると推計されている。都の担当者は「認知症の人が何かをするのではなく、社会の側が変わる必要がある」と話している。 認知症施策をめぐっては1月に認知症基本法が施行され、認知症とともに希望を持って生きるという「新しい認知症観」を打ち出した国の基本計画が策定される予定だ。