トランプ氏有罪も大統領選勝利の確率に影響なし:今週の予測市場分析
ドナルド・J・トランプ氏は、前職、現職を問わず、刑事裁判で有罪評決を受けた最初の米大統領経験者となった。しかし、この不名誉は、同氏がホワイトハウスを奪還する確率を揺るがすことはほとんどない、と予測市場は示している。
トランプ氏優勢に変化なし
馴染みのない読者のために説明しておくと、予測市場では取引が決済されると、正しい結果に賭けた人は購入した契約1件につき1ドルを手にし、正しくない結果の「シェア」を買った人は何も手にできない。契約の価格は世論調査のように捉えることができ、契約価格が40セントの場合、その予想が的中する確率は40%と考えることができる。 暗号資産(仮想通貨)ベースの予測市場ポリマーケットでは、選挙契約のベット(賭け)総額が1億5000万ドル(約2234億円、1ドル156円換算)に迫っているが、トランプ氏の有罪評決は価格をほとんど動かさず、「イエス」契約の価値をわずか1セント下げただけだった。 トランプ氏が勝利する確率は前週比で2ポイントほど下がり、54%になった。しかし、陪審がトランプ氏に重罪の有罪評決を下した5月31日には、1ポイントしか下がっていない。 ポリマーケットにおけるトランプ氏のバイデン大統領に対する16ポイントのリードは、世論調査の平均値よりもはるかに顕著だ。世論調査という伝統的な指標でも、トランプ氏はまだ現職を上回っているが、270 to Winが作成した集計によれば、その差は1ポイント未満だ。 PredictItは、よりメインストリームのベッティング(賭け)サイトで、取引はステーブルコインではなくドルで行われるが、有罪評決後、トランプ氏勝利の契約は1セント上昇した。ただし、PredictItでのトランプ氏のバイデン氏に対する51 - 48のリードは、ポリマーケットでの差よりも小さい。ポリマーケットは、規制当局との和解により米国人ユーザーをブロックしているが、世界中にトレーダーがいる。一方のPredictItは、米国市民のみが利用できる。 トランプ氏が刑務所に入るかどうかに関するポリマーケットの契約では、ベッターは同氏が刑務所の中を見ることはないと強く確信しており、76%の確率で服役はない、18%の確率で1年未満、2%の確率で1年から2年の刑期を予想している。 ポリマーケットのベッターは、バイナンス(Binance)の元CEO、チャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏の量刑をかなり正確に予測している。 ジャオ氏は4カ月の実刑判決を言い渡された(そして現在服役中)。判決前、ポリマーケットは彼の刑期は1年未満、より具体的には6カ月未満と自信を持って予測していた。司法省は3年を求めていたが、ジャオ氏の弁護士は司法取引で18カ月を主張していた。