「もう少し遅かったら…どうなっていたか」信濃GS滝野要選手が語る “人食いバクテリア”「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の怖さ 県内患者数は去年の2倍に 予防策は…
全国で今、患者数が増えている「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。“人食いバクテリア”の異名を持ち、命の危険にもかかわるその症状や予防方法とは? パンパンに膨れ上がった左手。 信濃グランセローズ滝野要選手 「たまたま運良くこうやって生きていますけど、もうちょっと遅かったら本当にどうなっていたかというのが」 プロ野球・独立リーグの信濃グランセローズに所属する滝野 要選手の体を先月、ある病がむしばみました。 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」。原因となる溶連菌に感染した人がまれに重症化し、手足の「壊死」や多臓器不全など、命の危険にかかわる症状を起こすものです。 滝野選手は5月20日に左手中指に腫れの症状が出たことから病院を受診、一度は打撲と診断されます。しかし、その2日後、激しい痛みとともに、滝野選手いわく左手全体が「人間の手とは思えない」ほどに腫れあがり、再度受診。翌日夕方に緊急手術となりました。その後、指にあった傷口から劇症型溶連菌に感染していたことが分かりました。症状が出てから手術までわずか4日でした。 この劇症型溶連菌の患者が今、全国で増えていて、今年の患者数は今月2日までに977人と過去最多に。県内では今月9日までに20人が感染していますが、すでに去年の同じ時期と比べて2倍となっています。 街の人は…。 「あ、溶連菌のやつ?あーあー!はいはいはいはい」 「具体的なイメージはつかないですね」 「いろんな菌はそこら中にいるのでそれ一つ一つを気にするよりも自分の免疫力をつけるしかないかな」 一方医師は、誰しもが感染の可能性があると、警鐘を鳴らします。そもそも、溶連菌といえば子どもがかかりやすくのどの炎症などを引き起こすイメージがあります。 篠ノ井総合病院 小川医師 「基本的には、起こす原因となっている菌。溶連菌の型としては同じものだというふうに理解していただいていいと思います。ただ同じものにかかったとしてもごく一部の人が重症化してしまうという形ですね」 ではなぜ、重症化してしまうのか…。 小川医師 「厳密には分かっていないというのが正直なところですが、やはり糖尿病があるとかご高齢の方、あと妊産婦さんに関しては注意が必要ですよというふうに言われてはいます」1315「一般的な感染の対策をしっかりやっていただくことと、普段からしっかり体力をつけていただくこと/そういったことが日々の備えになるんだろうというふうに思います。時間経過と共にどんどん進行していくのが劇症型の怖い所。どんどん急激に痛みが広がってくる腫れが広がってくるそういった場合には夜中でも構わないので救急のある医療機関を受診していただければと思います」 マスクや手洗いなど基本的な予防を呼び掛けています。球団によりますと滝野選手は現在退院し、リハビリをしながらも練習に参加。「我慢するのではなく、おかしいと思ったら病院を受診してほしい」とコメントしています。