青学大3季連続15度目V 佐々木が値千金の逆転3ラン
「東都大学野球、青学大3-1中大」(29日、神宮球場) 3回戦1試合が行われ、青学大が中大を下して勝ち点4とし、勝率で3季連続15度目の優勝を果たした。主将で今秋ドラフト候補の佐々木泰内野手(4年・県岐阜商)が決勝の逆転3ランをマーク。中西聖輝(まさき)投手(3年・智弁和歌山)が5安打1失点で完投勝利を挙げた。6月10日から開幕する全日本大学選手権(神宮、東京ド)への出場が決定し、2年連続日本一を狙う。 苦しみから解き放たれたように、三塁の守備位置から走り出した。歓喜の瞬間、佐々木はマウンドに駆け寄って高くジャンプ。自らたぐり寄せた頂点だ。 「ずっとチームに迷惑をかけていた。ホッとしていますし、うれしい」 1点を追う四回、野球の神様が、仲間が、最高の場面を用意した。2死三塁では西川史礁(みしょう)外野手(4年・龍谷大平安)が四球を選び、雄たけび。「泰(佐々木)なら絶対打ってくれる。頼んだぞ、と」。佐々木は1ボールから低めスライダーを捉え、今季1号となる逆転の左越え3ランを放った。 「本当にごめん。お待たせ、と」。これがリーグ戦通算12本塁打目の大砲だが、今春は打率1割台と苦しんだ。西川ら4年生の活躍に「情けなかった」と吐露。それでも前を向いて真摯(しんし)に練習に取り組んだ成果は、ベンチを飛び出して喜ぶナインの姿が物語っていた。 これがスタートラインでもある。狙うは昨年に先輩たちと成し遂げられなかった4冠(春秋リーグ戦、全日本大学選手権、明治神宮大会)だ。「この勢いのまま、日本一を取れるように」。悩める主将の一発を弾みに、さらなる高みへ駆け上がる。 ◆佐々木 泰(ささき・たい)2002年12月24日生まれ、21歳。岐阜県大垣市出身。右投げ右打ち。内野手。178センチ、82キロ。小野小1年から小野野球少年団で野球を始め、東中では岐阜ボーイズに所属。県岐阜商では1年春から4番を務め、高校通算41本塁打。青学大では1年春にリーグ戦デビューし、4本塁打などでベストナインを獲得。50メートル走6秒1、遠投100メートル。