元経産官僚・古賀茂明氏「日本は変わりつつある」安倍政権の“暴走”に警鐘
THE PAGEは29日夜、元経済産業省のキャリア官僚、古賀茂明氏を招き、『国家の暴走~安倍政権の世論操作術』をテーマにトーク番組をライブ配信した。その中で、古賀氏は「日本という国は変わりつつある」と、安倍政権の“暴走”について警鐘を鳴らした。 【動画】 元経産官僚・古賀茂明に聞く『国家の暴走~安倍政権の世論操作術』
聞き手は津田塾大学教授の萱野稔人氏。「改革派官僚」ともいわれた古賀氏は、安倍政権について「日本という国のあり方が大きく変わりつつある。民主主義的な手続きやこれまでの政治の変わり方とは外れた形で、今までだったらとてもできないような高いハードルを越えつつある」と分析。集団的自衛権や秘密保護法、武器輸出三原則など、主に外交安全保障の面で“暴走”しているとの認識を示した。徴兵制については「なる可能性は高い」とし、北朝鮮が核武装した場合には「日本が核武装する可能性さえあると見ている」と述べた。 しかし安倍政権は、例えば集団的自衛権について「イラクに行って武力行使はありえない」と答弁するなど、表面上は戦争はしない、平和主義は守ると説明していると指摘。「安倍さんが建前上言っていることと、僕が“暴走”と呼んでいる動きにはかなり乖離ができている。それに気付いていない人は多いだろう」と述べた。こうした“暴走”は安倍政権の「世論操作術」で成り立っているという。 安倍政権とメデイアの関係については、「政治家にとってメディアと付き合う理由はPR。安倍政権のすごい所はPRを政策と同じレベルかそれより上のレベルで設定している。政策の中身がダメもPRで稼ぐという考えがはっきりしている。そのPRに安倍さんが非常に強く関与している」と説明した。 さらに「安倍さんはマスコミ組織のトップを押さえに行くのが目に付く。現場でも誰が何を書いたかをチェックしながらやっている」「テレビに私(古賀氏)が出演すると、安倍さんに近い人物が不快感を示す。そうすると政治部が萎縮する。特オチなどのように自分だけ情報がもらえなくなるのではないか、と」などと政権の「メディア操作術」について語った。 番組の質問コーナーでは、内閣改造で経済産業相に抜てきされた小渕優子氏をどう見るか、という声が寄せられた。それに対して古賀氏は「普通の人です。普通のサラリーマン。小渕さんはどちらかというとリベラルだと思うが、自分の政策を持っているという印象はない」と評価。そういう小渕氏を、安倍首相は「上手に使う」のだという。「小渕さんはソフトなイメージ。小渕さんが悩んだ末に原発を再稼動しますと説明したら、反対する声もあると思うが、1、2割はしょうがないと思ってくれるかもという計算もあると思う」との見立てを語った。