LINEの返信は『ウッス!』、ミーティング中に上の空……高校時代の恩師が語る「紅林弘太郎はオリックスだからこそ活躍できた」
パ・リーグ3連覇中のオリックスの若きショート・紅林 弘太郎(駿河総合・23歳)。高卒からプロ入りして4年、一軍出場398試合、24本塁打、121打点はいずれも同世代トップの数字である。 駿河総合高校時代の恩師・望月俊治監督にプロ入り後、急成長を続ける紅林について分析をしてもらった。 【一覧】通算100試合以上出場の同世代の野手成績
オリックス・牧田スカウトのおかげ
ーーオリックスでは2年目からレギュラーになりました。 望月監督 球団、指導者の方に恵まれていると感じる結果です。本当によくしていただいていると思っています。牧田スカウトは私の前任校(島田商)の卒業生で、仲良くさせていただいていました。牧田スカウトが彼の性格をしっかりと把握して、球団内にも共有していたのが大きかったと思います。 入団後、牧田スカウトから「コーチに紅林の性格について話した」と連絡いただいていましたね。今の活躍は牧田スカウトのおかげです。 ーー 3失策した試合のあとに丸刈りをするなど(4月13日)、紅林選手のキャラクターが話題になっています。 望月監督 宇宙人とまではいかないですけど、ちょっと違う子かなと思っていました(笑)。 ーー 紅林選手は高校時代のインタビューで「望月監督の型にはめない野球がやりやすかった」と答えていました。 望月監督 ガチガチに型にはめるというよりは、やはりある程度、自由度があった野球の方が彼は伸びるかなと思いましたね。 ーー規律を重んじる野球もあると思いますが、紅林選手はそっちには合わなかったかもしれないと。 望月監督 それは分からないですね。彼の大らかな性格を見ると、繰り返しになりますが、自由度の高い指導が良かったと思います。 ーーオリックスの中嶋聡監督は紅林選手のここまでの活躍について、「鈍感力」による部分が大きいと語っています。 望月監督 それは私もずっと感じています。ある意味、自分にとって都合の悪いことは耳に入れないといいますか、そんな特技でもあるのかなと(笑)。たとえば、全体ミーティングの時、自分に必要だなと思った話はよく聞くんですけど、自分にとって必要ではない話は全く聞かないですね。 ーーそれは見ていて分かるんですか? 望月監督 分かりますよ。ずっと横向いてますから! 「おい!しっかりと人の顔を見て話を聞きなさい」とはいいますけど、自分ができていることだったら、「僕には関係ない」という顔をしているんです(笑)。 ーー牧田スカウトにはそのエピソードを含めて話をしたんですか? 望月監督 はい、全部話しました。「人の話を聞かないところがありますが、だからといって怒ってはいけないですよ」と牧田さんがオリックスのコーチに話をしてくれたんじゃないですか(笑) ーーその話を聞くと、牧田さんがいたオリックスに入って本当に良かったですね。 望月監督 そうですね、牧田さんに助けられている部分が大きいと思いますよ。オリックスがうまくいっているのは、新人はこういう性格を持った選手というのを事細かくコーチに教えて、コーチはそれを頭に入れた状態で指導しているところが大きいですよね。そうですね、牧田さんに助けられている部分が大きいと思いますよ。オリックスがうまくいっているのは、新人はこういう性格を持った選手というのを事細かくコーチに教えて、コーチはそれを頭に入れた状態で指導しているところが大きいですよね。 牧田さんはプロにいかない選手の面倒もみてくれているので。特に静岡出身の選手には志を持って一生懸命やって欲しい思いがあるようです。