映えスポット、美瑛の「青い池」 観光公害対策に駐車場税導入へ
なだらかな丘陵の畑や樹木が織りなす「パッチワークの景観」で知られる北海道美瑛町は21日、「映えスポット」として世界的に有名な「白金青い池」に駐車場利用税を導入する方針を決めた。年間200万人を超す国内外の観光客によるオーバーツーリズム(観光公害)対策の一環で、駐車場利用者から一定額を徴収し、畑への立ち入り防止や渋滞解消などの費用に充てる。制定されれば、道内では初となる。 【写真】駐車場税、参考にした前例は 取材に応じる美瑛町長 人口9300人の美瑛町は昨年4月、農業景観を町の資源と位置づける「持続可能な観光目的地実現条例」を施行した。有識者や関係者で検討委員会を立ち上げて、税収が乏しいなかで観光予算をまかなう財源について議論してきた。 観光客の大半を日帰り客が占めることを踏まえて検討委は21日、宿泊客から徴収する宿泊税と、日帰り客の多い「青い池」の駐車場利用者から徴収する駐車場税の二つを新税案として提言書にまとめた。駐車場税は二輪が300円▽普通車が1000円▽バスが4000円で、税収見込み額は3億4900万円で、観光客1人あたり換算で300円となる。現在の駐車場料金と合わせると、二輪が400円▽普通車が1500円▽バスが6000円になる。宿泊税は町内の宿泊施設を対象に1泊300円で、税収見込みは4800万円。 町は12月の町議会に法定外税の条例案を提出する方針。2026年度の導入をめざすが、検討委が「可及的速やかに実行」を提言していることを受けて、導入が早まる可能性もある。(日浦統)
朝日新聞社