「災害級の大雪」青森の宮下知事が危機感 雪害事故相次ぎ死者7人 住民生活に大きな影響
青森県では、昨年末から降り続いた記録的な大雪に見舞われ、青森市や弘前市など津軽地方を中心に雪害事故が相次いでいるほか、地区によっては生活道路の除排雪が追い付かない所もあるなど、住民生活に大きな影響が出ている。 【写真】雪で道幅が狭くなり、すれ違うのもやっとの通学路 県防災危機管理課によると、大雪による人的被害は10日午前9時現在で津軽地方を中心に死者7人、重軽傷者94人などとなっている。屋根の雪下ろし中に転落するケースがほとんどだという。宮下宗一郎知事は「災害級の大雪」と危機感を強め、県内10市町村を対象に13年ぶりに災害救助法を適用。除排雪費用を財政面で支援するほか、各地を視察して被害状況の把握に努めている。さらに、県は比較的、雪の少ない県内の自治体から応援を得て除排雪作業を急ピッチで進めている。 大雪は住民生活も直撃。連日、降り続く雪で除排雪が追い付かない地区も出ており、住民からは一刻も早い除排雪を望む声が相次いでいる。青森市筒井の会社員、相馬久美さん(48)は「今年の雪の多さは異常。特に住宅街の雪がすごくて車を出すのがおっくう。日常の買い物もままならない。除雪が入るのを待ち望んでいる」と話す。また、同市中央で自宅の雪かきをしていた工藤勇雄さん(73)は「自然が相手だからしょうがないが夜、除雪しても朝になるとまた元通り。いたちごっこだ」とうんざりした様子で作業をしていた。 さらに、幹線道路から伸びる生活道路では、排雪が追い付かず道路脇に高く積み上げられた雪で視界が悪くなっている場所や、道幅が狭くなり車が譲り合いながら通行している箇所も。 また、青森市では15日から市内小・中学校計61校で学校が始まるが、通学路の道幅が狭くなったり、除排雪が進んでいない地域も散見される。市教育委員会の担当者は「冬休みが終わり、ボランティアが除雪しているが、追い付いていない地域もある。子供たちの安全確保のためにも除雪を早くしてほしい」と話している。