アストンにマセラティ、ジャガーも 意外とお手頃?なV8スポーツ 英編集部が選ぶ旧車10台(2)
アラード Kタイプ/Lタイプ(1946~1950年)
往年のラリードライバー、シドニー・アラード氏の名を冠した英国のスポーツカー・ブランドが、アラード。1958年に幕を閉じるまで、フォードやマーキュリー、クライスラー、キャデラックなどのV8エンジンが載ってきた。 サーキットでのレースやヒルクライム、ラリーなどで競争力を発揮。特にアメリカで、秀でた性能を証明している。スイングアクスルの足回りにクロスプライ・タイヤを履き、じゃじゃ馬といえる性格ではあったけれど。 アラードJ2といった本格的なレーシングマシンは、2万5000ポンド(約472万円)の予算から大きく外れている。極めて希少で、出品されることも少ない。 しかし、辛抱強く待っていれば、2シーターのKタイプや、4シーターのLタイプが売りに出されることがある。しかも、現実的な金額で。 入手できたら、ヒルクライムなどのクラシックカー・イベントへ積極的に参加し、存分にアラードを謳歌するのが望ましい。荒々しいロードカーとして、自動車旅行の相棒にするのも一興だ。
マセラティ・スパイダー(ティーポM138/2001~2007年)
ジョルジェット・ジウジアーロ氏が描き出したボディが、4.2L V型8気筒エンジン、F136型ユニットをエレガントに包む。称賛を集めた1998年の3200 GTに続く、新生マセラティの第2章といえたスパイダーは、2001年にリリースされた。 ボンネット内に収まるのは、ドライサンプのフェラーリ製V8。短いホイールベース上に、別名4200とも呼ばれる、流麗な2シーターのロードスターが仕上げれられている。 ただし、完璧な内容とはいえなかった。アダプティブダンパーを備える「スカイフック」サスペンションと、セミATの「カンビオコルサ」は、不具合が多くオーナーを悩ませた。ディーラーの整備部門にとっては、良い収入源だったと思うが。 それでも、レザーがふんだんに使われた内装は極上。F136型ユニットは、鳥肌が立つような勢いで回転し、395psと45.9kg-mを繰り出す。故障のことを忘れてしまうほど、官能的なインテリアとV8エンジンだ。 信頼性が影響し、現在は状態の良い例でも1万7000ポンド(約321万円)ほど用意すれば、スパイダーを狙える。後期型のグランスポーツや、希少なMT車でも、2万5000ポンド(約472万円)を下回る価格で取り引きされている。