藤本渚五段（右）との第３７期竜王戦６組ランキング戦決勝を指す山下数毅三段（日本将棋連盟提供）

　将棋の第３７期竜王戦６組ランキング戦決勝が２１日、関西将棋会館で指され、藤本渚五段が、山下数毅三段に後手番で勝ち、挑戦者決勝トーナメント初進出を決めた。現役棋士最年少の１８歳が藤井聡太竜王＝名人、王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖と八冠＝への挑戦の道を開いた。 　１５歳の山下は奨励会員初のランキング戦Ｖとはならなかった。優勝していれば、２０２０年度に導入された竜王戦の規定通り、今期の三段リーグ終了後に「次点１」が付与された。山下は２３年前期の三段リーグで次点１を獲得しており、今期リーグ（４～９月）終了時で降段点（勝率２割５分以下）以上の結果なら「次点２」となり、フリークラス編入＝プロ入りの資格を得る大一番だった。 　対局は振り駒の結果、先手は山下。２６、２７手目で角を交換した。中盤は終始、体を揺らして考え続ける山下に流れが傾いたが、夕食休憩後に形勢を損ね、昨年度の新人王、最多勝（伊藤匠七段と並ぶ５１勝）の実力者・藤本にねじ伏せられた。 　山下は再び、三段リーグ抜け（上位２人）か、３位による次点１獲得などで棋士を目指す。竜王戦は決勝に上がった時点で５組への昇級が決まっている。