コシヒカリ新米、県内発売 米不足で前年比1300円高
石川県内のスーパーで11日、県産コシヒカリの新米が一斉に発売された。全国的な米不足を背景に取引価格が上昇し、金沢市内のスーパーでは10キロの新米が2023年産米と比べて1300円高い4980円(税抜き)で販売された。米卸の米心石川によると、各店での小売価格は2~3割ほど高くなっている。主力品種の発売によって、8月中旬から続いた品薄は解消されたものの、高値の水準となっている。 米心石川によると、24年産米は需給バランスが乱れ、取引価格が上昇している。8月下旬に販売が始まった早生(わせ)品種「ゆめみづほ」の店頭小売価格は前年より2~3割ほど高く、9月下旬に発売を控える県産ブランド米「ひゃくまん穀(ごく)」も高値が見込まれる。 「お待たせしました。コシヒカリの新米です」。11日午前、金沢市増泉4丁目のマックスバリュ増泉店では、店員が紙コップに入ったご飯を試食として来店客に渡した。 試食した市内在住の70代男性は「やっぱり新米やね。おいしい」と笑顔。5キロ入りを2袋購入し、1袋は米不足が深刻な関西で生活する友人に送るという。 この店では8月から米の陳列棚で欠品が目立つようになり、1カ月ぶりに棚が商品で満たされた。新米の発売日に関する問い合わせも目立ったといい、店の担当者は「ようやく品不足を気にせずに販売できるようになった」と胸を撫で下ろした。