サクランボの生産量日本一・山形 ふるさと納税で人気の返礼品…不作で発送できない事態相次ぐ
山形県が生産量日本一を誇るサクランボの不作で、自治体のふるさと納税にも影響が出ている。返礼品として人気が高いが、量を確保できず発送できない事態が相次ぐ。自治体は代替品の手配を進めるなど、対応に追われている。 今季のサクランボは前年の高温により実がくっつく「双子果」が多発したのに加え、少雨による肥大不足、収穫期を迎えた6月中旬の高温による熟し過ぎで、廃棄となる実が出ている。 県内1位の寄付額(2022年度、43億円)を誇る山形市では、21日時点で返礼品として発送できない数が8000件に上る。サクランボを希望した総数約6万2000件の13%を占める。 寄付額全体の約6割を占める果樹の中で、サクランボは一番の人気商品。市では双子果の発生を受け、受付件数を例年より1万件ほど減らして備えてきたが、収穫期の高温は想定外だった。 現在、寄付者へおわびの文書を作成中で、代替品を選ぶか、来年に先送りするかいずれかの対応をお願いする。市ブランド戦略課の高橋大課長は「事前に手は尽くしたがそれでも足りず、異常事態だ」と嘆く。 影響は主産地の東根、天童両市など複数の自治体でも確認されている。 寄付額で山形市に次ぐ寒河江市は、現時点で受付件数のうち約4割が発送できていない。原則は代替品で対応し寄付額へ影響はないが、担当者は「返礼品を扱う事業者が不作を警戒し、来季の受付量を減らす可能性もある」と懸念する。
河北新報