自転車施錠率5%向上 福島県警、看板設置2カ月で調査
行動科学の知見を活用して県警が8月から県内の駐輪場で取り組む自転車盗対策の実証実験で、10月末の平均の鍵施錠率が8月末と比較して約5.5%高くなったことが19日、県警への取材で分かった。県警は11月末までの効果を検証した上で年度内に県内全域に拡大する方針。 県警によると、県内で発生した自転車盗で被害に遭った7割が無施錠で、被害者の約4割が高校生。実証実験はその対策として初めて行われ、相手に命令せず、より良い選択をするように促す行動科学の「ナッジ理論」を活用している。「この駐輪場では90%以上の人がカギをかけています」「カギをかけていただきありがとうございます」などと書かれた複数種類の看板や横断幕を作り、県内14カ所の駐輪場に設置して自転車の施錠を促して期間ごとに駐輪場の施錠率を比較している。 県警によると、県内14カ所の施錠率は8月末は89.27%だったが、10月末は94.85%。また、自転車盗被害も8月は26件だったが、10月は15件に減少したという。県警の佐藤剛生活安全部長は関心を持って看板や横断幕を見てもらえているとした上で「一件でも被害が少なくなるよう取り組む」としている。 実証実験には犯罪科学が専門の福島大の鈴木あい特任准教授と科学警察研究所が協力している。
福島民友新聞