栃木県日光市の宝殿交差点 右折レーンから誤って直進する車が多い 何か解決方法は?
「日光市の宝殿(ほうでん)交差点に七里(しちり)アンダー側から進入し日光インター方面に直進するとき、右折レーンから直進する車が多く、何度もぶつかりそうになる。観光客も増えるシーズンになるので何か解決方法はないだろうか」。下野新聞「あなた発 とちぎ特命取材班」(あなとち)にこんな疑問が寄せられた。記者が私用で、この交差点を走行した際にも同様の場面に遭遇してヒヤリ。わが事として取材に着手した。 投稿があった場所は、片側1車線の市道と国道119号(日光街道)が交わる十字交差点。今回、危険性が指摘されたのは、市道の七里アンダー側から日光インター方面へ向かう車の交差点の進行方法だ。 十字路と言っても、市道を直進し交差点を越えると、その先は道が右へ大きく曲がっている。交差点手前には、直進・左折レーンと右折レーンがそれぞれあるが、目的地の方向を示す案内標識は見当たらない。観光客など道に不案内なドライバーだったらもしかすると、進行方向にある道路が右へ大きく曲がっているのを見て、インター方面は直進ではなく右折だ、と勘違いしてしまう可能性は否めない。 対策として、ドライバーが事前に正しい進行レーンを把握できるよう、交差点から約90メートル手前にある七里アンダー付近の市道上には、左に「宇都宮・日光インター方面」、右に「日光市街方面」と路面標示がある。しかし、それを見逃してしまうドライバーもいるだろう。 6月下旬の夜、記者は七里アンダー側から交差点へ向かい、赤信号だったため直進・左折レーンの先頭で停車した。隣の右折レーンには、右にウインカーを出している他県ナンバーの車が止まっていた。 信号が青になり発進すると、右折レーンにいたはずの車も記者の車と並走する形で直進した。慌ててアクセルを緩めると、こちらの車に気付いていないように記者の車の前にすっと入り込み、そのまま日光インターへと消えていった。 幸い記者の車は低速だったため、事故の危険性は感じなかったが、もし交差点で停止しておらず、青信号で交差点に進入して同様の事態になったらどうだったろうか。 日光署によると、同交差点では過去5年、自動車による人身事故は発生していない。原因はさまざまだが、物損事故は十数件発生している。 同署には今年に入って「宝殿交差点で道を知らない人が右折レーンから直進して危ない」という趣旨の声が2件寄せられ、同署は日光市にその旨を伝えたという。 日光市日光行政センターによると、交差点についての意見は寄せられていないというが、日光署からの連絡を受け、6月下旬、薄くなっていた七里アンダー付近の路面標示を塗り直した。 同センターの担当者は「ドライバーがカーナビなどに集中して路面標示を見ていない可能性もあるが、限られた予算の中では路面標示が現実的な対策になる」としつつ、「警察や(交差する国道を管理する)県と、さらなる対策について相談が必要となるかもしれない」と話した。 今回疑問を寄せてくれた日光市、会社員女性(51)は、右折レーンに他県ナンバーの車がいる際は、直進してくることも警戒して運転しているという。 取材結果を伝えると「地元の人たちが気をつけているのか、想像より事故は少なかった。交差点内に誘導線などを入れてもらえると助かる」と期待した。