アーチー君の“肌の色”に言及した差別主義者は誰? イギリス王室暴露本で明らかになった2人のロイヤルとは
なぜオランダ語翻訳版でだけで「名前がリーク」されたのか?
もう一点、「なぜオランダ語版で名前がリークされたのか?」という疑問も残る。 スコビー氏は出版後のインタビューでも一貫して「自分は書籍に2人の名前を書いていない」と主張している。11月29日にイギリスの大手民放テレビ局「ITV」の情報番組「This Morning」に出演したスコビー氏は改めて同じ主張を明言したが、同時に「この2人」が誰なのか、メディア関係者は皆知っていることであるとも語っている。 英語からオランダ語に翻訳される過程で、一体何が起こったのだろうか? 「エンドゲーム」の翻訳者であるサスキア・ピータース氏は「オランダの出版社Xander Uitgeversに渡されたものを訳しただけ」と語っている。確かに翻訳者自身が重要人物の名前を加筆することはありない。仮にそうであったとしても、出版に至るまでに編集者や校閲者等何人もの専門家による確認作業があったはずだ。 つまり今回の出来事は、スコビー氏による初期段階の草稿には「2人の人物」の名前が書かれており、その原稿がオランダの出版社に渡ってしまった。そして最後まで削除されることなく出版に至ったと考えられている。 出版社Xander Uitgeversはこの件が明るみになると、ただちに初版の回収と出版停止を決定。12月8日に「2人のロイヤル」の名前が削除された修正版が発売されるという。
今後、王室側はどう出る?
この件に関し、イギリス王室はまだ何もコメントしていない。ウィンフリー&キャサリン妃のインタビューが話題となった2021年、イギリス王室はメーガン妃が語った「肌の色への懸念」について「フィクションである」と主張した。今回チャールズ国王とキャサリン妃の名前が出たことに関する王室側の出方はまだ不明だが、敏腕弁護士を抱えているイギリス王室だけに何らかの法的措置を取る可能性もある。 今後の動き、そして問題が終息に向かうのかはまだ見えない。しかしこの一件で、ヘンリー王子&メーガン妃夫妻とイギリス本国の家族との間の溝がさらに深まったことは間違いないだろう。
文:宮田華子