【毎日書評】その劣等感をどう活かす?アドラーのことばで知る「働くことの意味」
条件つきの向上心をもつな
「もし自分が怠けさえしなければ、大統領にだってなれる」と考える人がいる。この人の向上心は、「条件付き」の向上心だ。「もし」「~でなければ」という条件が付いている。 本当の向上心とはいえない。自分のことを過剰に高く評価していて、自分は社会にとって役立つ立派な人間だと思い込んでいる。(『生きるために大切なこと』より) 当然のことながら、これは単なる幻想。ところが人間は、たとえそれが幻想であったとしても満足してしまうことが少なくないのだといいます。 さらにいえば勇気が足りない人は、それが幻想の自分であったとしても満足してしまう傾向にあるようです。向き合わず、逃げることによって、実際よりも強くて賢い“幻想の自分”をつくりあげているということ。(013より) アドラー心理学は100年経っても古びることのない、「実践」の学問であると編著者は述べています。だからこそ、心に響くことば、勇気をもらったことばを見つけたら書きとめておき、折に触れて読み返してほしいとも。つまり本書は、自信を失いそうなとき、くじけそうなとき、困難にぶつかったとき、助けになってくれる実践的な一冊であるわけです。 >>Kindle unlimited、2万冊以上が楽しめる読み放題を体験! 「毎日書評」をもっと読む>> 「毎日書評」をVoicyで聞く>> Source: ディスカヴァー・トゥエンティワン
印南敦史