ロンドンの住宅価格、年収の依然12倍-値下がりでもなお高水準
(ブルームバーグ): 英国の首都ロンドンの住宅は過去5年間にイングランドでは最も値ごろ感が改善されたが、年収比では依然として目が飛び出るほど高い水準だ。
英政府統計局(ONS)によると、買いやすさの改善を示すアフォーダビリティー比率低下が最も大きかった10地域は全て、ロンドンもしくはその近隣地域。これらの地域の住宅価格はここ数年、英国の他地域と比べ低迷していた。
しかし、2023年9月までの1年間のデータによると、ロンドン市民は依然として国内で最も高価な住宅価格に直面している。
ウェストロンドンのケンジントンとチェルシーは、住宅価格の中央値が平均年収の34倍を超え、値ごろ感が最も少ない地域で、ウェストミンスターとリッチモンドアポンテムズがこれに続いた。このデータは、居住者の収入ではなく、その地域で働く人々の収入に基づく。
住宅価格が伸び悩む中で、賃金は大きく上昇し、こうした数値は購入者側の状況改善を裏付けている。同時に、持ち家政策を進め一段と住宅を買いやすくするという政府の課題を示しており、年内に実施が予想される総選挙で大きく取り上げられるテーマとなりそうだ。
ロンドンは住宅価格が23年にイングランドで最も低迷した地域で、5%近く値下がり。イングランドの住宅値ごろ感改善の一助となった。ロンドンの住宅価格は年収の11.95倍で、前年の12.38倍から低下した。
原題:London Homes Still Cost 12 Times Earnings Despite Fall in Prices(抜粋)
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Tom Rees, Andrew Atkinson