ファーウェイの最新スマホに熱視線、中国で巻き起こった“世界初”の3つ折りスマホ旋風は日本にも到来するのか
3つ折りスマートフォンの最大のメリットは、普段は普通のスマートフォンとして使いながら、本体を開けば大きな画面を使えることだ。 2つ折りのモデルは開けば左右にスマートフォンの画面が並んだ大きさであり、正方形に近い8インチ程度に変形する。これが3つ折りスマートフォンならば完全に開くと10インチを超える長方形サイズになる。この大きさは普通のタブレットと同じであり、違和感なくPC代わりに使うこともできるのだ。
Mate XTは折りたたんだときの大きさが156.7(高)x73.5(幅)x12.8(厚)mmとなる。縦横のサイズは一般的なスマートフォンと変わらず、若干厚みがあるものの大型ケースをつけたスマートフォンと変わらないだろう。実際に手に持ってみると厚さもあまり感じられなかった。 ただし重量は298gとやや重い。画面サイズは6.4インチ、縦横比は20:9なので操作性も普通のスマートフォンと同等だ。Mate XTを閉じた状態で渡されたら、誰もがただのスマートフォンと思うに違いない。
Mate XTは1枚のディスプレイを「Z字」に折り曲げる構造になっている。つまりディスプレイのヒンジは1ヵ所が“山折り”に、もう1ヵ所は“谷折り”になる。 現在、販売されている2つ折りスマートフォンのほぼすべてがディスプレイを谷折りにする構造だが、ファーウェイは山折り、谷折り2タイプの折りたたみスマートフォンを販売してきた。Mate XTはその2つのタイプの画面を1枚につなげたようなものであり、過去の経験があったからこそ3つ折りスマートフォンの商用化にいち早く到達できたのだろう。
なお、Mate XTの3つ折りディスプレイは中国の大手ディスプレイメーカー、BOEと共同開発したものだ。実はサムスンディスプレイも3つ折りディスプレイ「Flex S」を先に完成させており、試作品を展示会などで積極的に見せてきた。 だが、3つ折りスマートフォンの商用化では中国メーカー連合が一気にサムスンを追い抜いてしまった。2つ折りスマートフォンの薄型競争でもサムスンは中国メーカーの後塵を拝しており、この市場はこれから中国勢がけん引していくことになるかもしれない。