心配性の親に育てられた子どもが、「人間関係に苦労する」心理学的な理由
・0~2歳への声かけ 食事ができるようになると、親としては健康のためにバランスよく食べさせたい、色々な食材を食べてほしいと思いますね。 ですが、子どもは好き嫌いをするもの。そんなとき「色んなものを食べないと病気になっちゃうよ」と言うのではなく、「ここにピーマンさんがいる!」「にんじんさんはシャキシャキしておいしいね」のように声をかけてみましょう。楽しい体験をすることで、子どもの意欲が刺激されます。 ・3~6歳への声かけ 夜、子どもがなかなか寝てくれないとき。「早く寝ないと起きられないよ」「ちゃんと寝ないと大きくなれないよ」などの論理的な説明は避けて。 「もう寝る時間だね。ベッドで一緒に絵本読もうか」「今夜はどんな夢見るかな? ◯◯ちゃんの夢にお母さん・お父さんも出てみようかな」「明日の朝スッキリ起きられたら一緒に散歩しにいこうか」のように、寝るとどんないいことが待っているかを伝えてみてください。 ・7~12歳への声かけ 冒頭でお話しした通り、勉強しない子どもに「勉強しないといい学校に行けないよ」などの説得は禁物。 「算数ができるようになったら、お買い物もできるしお小遣いの計算もできるようになるよ」「英語ができたら外国の映画も見られるようになるんだよ」のように、勉強することは楽しい、勉強するといいことがある、というポジティブなイメージを伝えてあげましょう。
寒い日に半袖で出かけようとするとき
× 寒くない? 上着を着ていったら? 〇 半袖で行くんだね ・親が心配性であるほど、子どもが依存する どんな親でも、わが子のことは常に気にかけ心配するもの。急に泣き出したら「お腹が空いたのかな?」「おしっこしたのかな?」と心配しますし、食事を食べるようになって好き嫌いが多かったら「このまま偏食になったらどうしよう」と心配します。 反抗的な態度をとれば「もっと優しい子になってほしい」と思うし、優し過ぎて意見が言えないと「もっと自己主張できる子になってほしい」と思うものです。 心配するだけならいいのですが、「寒くない? 上着を着ていったら」とか「雨が降りそうだよ。傘を持っていきなさい」「忘れ物はない? ハンカチ持った? 宿題やった?」のように頻繁に声をかけるのは"口の出し過ぎ"です。 さらに、子どもの宿題をつきっきりで手伝ったり、子ども同士の喧嘩に口を出して学校に乗り込んだりするのは"手の出し過ぎ"です。 口の出し過ぎを「過干渉」、手の出し過ぎを「過保護」と呼んだりしますが、これらは時として子どもの経験や自立のチャンスを奪ってしまうことがあります。 口の出し過ぎ、手の出し過ぎといった親子の距離感は、その後の人間関係の「距離感の土台」に影響します。 心理学では、自分と他人を区別する境界線のことを「バウンダリー」と言い、小さい頃からの親と子の関係がその後の人間関係の距離感の土台になると考えられています。 親と子どもの距離が近すぎるとバウンダリーが曖昧になりやすく、子どもは自分で考える機会を奪われてしまい、人の感情に振り回されやすくなります。子どもが自ら考えて行動できるよう、口の出し過ぎ、手の出し過ぎには注意したいものです。具体例を紹介していきます。