仙台大バレー部を7連覇に導いた石丸出穂監督…強さの原動力は「科学に基づいた指導」
仙台大男子バレーボール部は4月から行われた第63回東北バレーボール大学1部リーグ戦で優勝し、7連覇を達成した。2006年から指導している石丸出穂監督(47)は男女の日本代表チームにアナリストとして帯同したこともあり、その経験を生かして選手としても人としても学生たちを育てている。指導をする上での教訓や今後の目標などを聞いた。 (取材・構成=山崎 賢人) 仙台大を率いて19年目になる石丸監督。04年にはアテネ五輪に出場した女子日本代表や、08年には北京五輪に出場した男子代表のアナリストとして活躍してきた。自身の核となる経験を生かし「できるだけ科学的に根拠に基づいた指導を心がけている」。練習では自分たちの姿が数秒遅れて映像になるシステムを利用。その映像をスクリーンに投影しプレー直後に、動きを確認し、数字やデータなどを駆使してチームを強化している。 男子バレー部の理念は「強い人間を育てる」。勝負に勝つ強さはもちろん、努力をする大切さやスポーツを通して身につけたリーダー性など、社会に出ても通用する人間的強さを育んでいる。 指導の中では特に「社会の動きにアンテナをしっかり張っておくこと」を意識させ、「スポーツの世界はある意味異常な世界だということを理解することが重要。そこがおろそかになるとスポーツの中での強さが社会では勘違いになるので、そこを押さえながら指導しています」と言う。 今後の一番大きな目標は全日本インカレでの優勝。まずは東北勢で一度も成し遂げられていないベスト8進出を目指して戦い、その先にはスポーツ界に貢献できる人材を育て上げていく。「ベスト8を超えるのが東北の体育系大学の使命。さらにはうちで学んだ学生たちが教員だけではなく、いろいろな指導者として活躍してほしい。スポーツの価値を正しく伝えていく人材を育てていきたい」 ◆石丸 出穂(いしまる・いずほ)1976年8月26日、長崎県生まれ。47歳。小学3年からバレーを始める。筑波大では3~4年時に全日本インカレで優勝を経験。99年に筑波大大学院に進学後にスポーツアナリストを知り、コーチとして経験を積む。02年にはVリーグ2部の上尾メディックスでコーチ兼アナリストに就任。
報知新聞社