13歳で故郷奪われ46年…引き裂かれた父娘が歌った“ふるさと”を同級生が涙の合唱 入退院繰り返す母「もう時間が無い」
北朝鮮による拉致被害者・横田めぐみさんとの再会を願う同級生が、2023年10月7日にチャリティーコンサートを開催した。 【▶動画で見る】同級生が再開を願いコンサートを開催 同級生は、めぐみさんとの再会を願って童謡「ふるさと」を披露。この曲には、引き裂かれた父娘がそれぞれに再会への強い思いを込めて歌った過去がある。
同級生の姿から“見えない”娘を想像
横田めぐみさんが中学1年生で拉致されるまでともに学び、2023年度に59歳となる新潟市の寄居中学校の同級生が、再会を願い開催してきたコンサートは、13回目を数えた。
そのコンサートの冒頭、2023年に入り入退院を繰り返しているという87歳の母・早紀江さんが、ビデオメッセージを寄せた。 「いつも同級生の姿を見るたびに、めぐみの見えない姿を勝手に想像して『元気でいてくれるんだ』と信じて政府に訴え続けております。これからもどうぞよろしくお願いいたします」
早紀江さんは、同じように年を重ねているであろう同級生の姿から想像を広げることで、なんとか59歳の娘の姿を描き出そうとしている。
再会を誓う同級生の会の池田正樹代表は「2002年9月17日に小泉首相が訪朝した前日の集会で、滋お父さんが号泣して『ふるさと』を歌っていた」と回想した。父・滋さんが、娘との再会を切望しながら涙した「ふるさと」。
一方でこの曲は、北朝鮮で生活するめぐみさんを支えた曲でもあった。それは、拉致被害者の曽我ひとみさんが、これまでの講演で明らかにしている。 北朝鮮の招待所で、ある時期ともに暮らしていた曽我さんとめぐみさんは、監視の目を盗み、日本の曲「もみじ」や「ふるさと」を声を潜めて歌っていたのだ。
横田めぐみさんの親友・真保恵美子さんはコンサートの中で、「歌うことが大好きだったヨコ(めぐみさんの愛称)。曽我さんが布団の中で『ふるさと』を歌ったと話していたのを聞いて、間違いなく、それはヨコだと思いました」と話した。