「一重で可哀想…」親に強要され15歳で二重手術、洋服や髪型も従わされ“着せ替え人形”に 当事者と考える「子の容姿に手を加える」ことの是非
■子どもは親の所有物? 成長後の弊害も
親に言われるがまま容姿をいじられたと訴える子どもは少なくない。SNS上には、「自分の“好き”ではなく、親の“好き”で服装・髪型は決まっていた」「痩せ=正義って価値観で、親が体型維持強要してきた」「嫌悪感から脱毛脱毛ってうるさい」といった声がある。 整形など美容の低年齢化だけでなく、背景には子どもを所有物のように扱う親の存在があると、母娘関係におけるモラハラに精通する心理カウンセラーの影宮竜也氏は指摘する。
「親側が自分の価値観・自分の正しさに従わせようとしている。ステータスのために子どもを利用したり、“あなたのため”と言って押し付けたり、親子の境界線が曖昧なことが特徴としてある。親が勧めた時に子どもはどう受け取るか、子どもの意思が尊重されるかというところを考えないといけない」 金融アナリストで名古屋商科大学大学院教授の大槻奈那氏は、容姿をめぐる自身の経験を語る。
「小さい頃、毛深いから脱毛するべきだと父親に病院へ連れて行かれたことがある。私は“親が自分のことを思ってくれているんだから”と思ったが、医師の前で恥ずかしくて泣いてしまった。そこで初めて、“私は気にしていない。将来はわかんらないけどここではやりたくない”と拒否できた。思い返せば脱毛しても良かったと思うが、将来取り返せない、後戻りできないようなことはNGだと思う」 影宮氏は、「親に反抗して自分の意思を言えるのであれば問題は生じない。言えない子がいるという前提で話す必要がある」と指摘。 「親の言うことに従い、自分の意思を出せないまま成長していくと、大人になって自分の好きなものがわからないということけっこう多い。あなたは何がしたいの?と言われても困ってしまう。そういう弊害があるので、やはり何らかのかたちで自分の意思を、相手が親だからこそはっきり言えるようになるのが一番いいと思う」
とはいえ、子育て観や教育の中でその是非を線引きするのは難しい。ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は“親を比較できる場”を作ることが必要だとの考えを述べた。 「子どもにとって、自分の環境がまともかどうかを判断する基準がない。なので、できるだけ多くの大人と出会って話ができるような状況を作ってあげて、親の話をした時に“ああそうなんだ”“いやそれおかしくない?”というどちらのリアクションが来るかを見る、というのが解決策ではないか。それでおかしいということであれば、児童相談所などがあると。そういった知恵も大人の知り合いがいれば出てくるはずだ」 (『ABEMAPrime』より)