「チョッパーまで本物みたい」新キャスト発表! Netflixドラマ『ONE PIECE』シーズン2に「期待できるワケ」
■世界観を壊さない忠実すぎるキャラクターの再現度
実写化という高いハードルを超えることができた理由の一つとしては、キャラクターの再現度の高さも当然要因の一つになっているだろう。 ルフィを演じたイニャキ・ゴドイさんの喜怒哀楽豊かな表情をはじめ、一見シュールに見えかねないゾロの三刀流を違和感なく再現した新田真剣佑さんなど、配役やキャラクターの装いも含めて高いクオリティで再現されていた。 その再現度の高さは“麦わらの一味”らメインキャラのみに留まらない。たとえば、前述したガープは中将としての威厳や風格をまとった歴戦の猛者感が滲み出ており、視聴者からも高い評価を得ていた。 また、同じ老人キャラで言えば、ゼフの再現度も見事だった。長いコック帽・三つ編みの髭など個性の多いゼフだが、そのすべてが「コスプレ感」を感じさせずに再現されていたことで『ONEPIECE』の世界観に自然に溶け込んでいたのである。 原作ファンであれば、セリフがないエキストラ的に出演したキャラクターにも目が行ってしまったのではないだろうか。第5話で描かれたドン・クリーク対ミホークのシーンでは、ボロボロのクリークの傍らに横たわる「鉄壁のパール」の姿がある。ドラマ内で活躍は見られなかったものの、横たわっているその姿だけでも明らかにパールであると認識できるほどの再現度なのである。 シーズン1では“悪魔の実”の能力者はルフィとバギーしか登場しなかったが、続くシーズン2では能力者同士の戦いが激化していくのは必至だ。キャラクターの再現度が高い本ドラマにおいて、個性的な“悪魔の実”の能力がそれぞれどのように描かれるのかも非常に楽しみだ。筆者個人としては、Mr.5の鼻くそ爆弾「ノーズファンシーキャノン(鼻空想砲)」がどのように描写されるのか、今から心待ちにしている。
■何周も見返してしまうセットに隠された無数の小ネタの数々
キャラクターの再現度の高さは前述した通りだが、その世界観を構築するセットの忠実さにも目を見張るものがあった。 ルフィらが乗る「ゴーイング・メリー号」をはじめとするそれぞれの海賊船や、訪れる街の建物、内部の装飾に至るまでまさに原作通りのセットを一話ごとに用意していた本作。 公式から公開された映像では、サンジと出会う海上レストラン「バラティエ」を建設している様子が見られたが、もはや一つのテーマパークのように壮大で、眺めているだけでもワクワクしてしまうほどの再現度となっている。 こうした巨大なセットで世界観に引き込まれたかと思えば、映像を止めないとわからないような一瞬のシーンにも、『ONE PIECE』に関連する小ネタが無数に散りばめられていたのである。 たとえば、第1話で訪れたシェルズタウンに貼りだされていた海賊たちの手配書。シーズン1で登場するバギー以外にもベラミーやフォクシーの手配書が映し出される中、よく見てみるとジャンゴやキャベンディッシュの手配書が貼りだされているのだ。 さらに細かな部分で言えば、第1話冒頭で映し出される海図には、原作に登場する島々や海牛モームや海王類が細かに描かれている。ほかにも、ウイスキーピークのお酒や、シャボンディ諸島と思われる絵、うそつきノーランドの本、ベリー通貨のデザインなどなど、画面に移るすべての物がワンピースに関連しているといっても過言ではない徹底ぶりなのだ。 画面狭しと視聴者を楽しませてくれたシーズン1を踏まえて、シーズン2ではどれほどの小ネタを隠してくれるのか。ここまでくると頑張りすぎにも思える製作陣を心配してしまうが、やはりファンとしてはその期待を抑えることはできない。 配信前は、未知の部分も多かった実写版『ONE PIECE』だが、原作の展開を無理に忠実に再現するのではなく、実写ドラマならではの温度感で間延びしないように描かれていた。 漫画との棲み分けをはっきりさせることで、独立したドラマシリーズとしての『ONE PIECE』を確立させたといえるだろう。 原作でも名シーンとされるルフィの処刑シーンやチョッパーの旅立ちのシーンなど、盛り上がりが増していく物語をシーズン2でどのように表現するのか、今から期待が高まるばかりだ。
ハヤシラマ