トイレを使用後、ずっと「大」で流しています。「小」のほうが水の節約になると分かっているのですが衛生的に大丈夫ですか?
トイレの「小」と「大」では、使う水の量が違うといわれます。基本的には「大」であれば問題なく流せるため、毎回「大」を使っている方も多いのではないでしょうか。一見ちょっとした違いに見える水量ですが、毎日繰り返すと年間の支出額が大きくなってしまいます。 そこで本記事では、トイレの「小」と「大」の水道代と、衛生的な問題について解説します。 ▼節約のためにトイレを「3回に1回」だけ流すのは危険! 節約効果とデメリットを解説
トイレの「大」と「小」ではどれくらい水道代が違う?
TOTO株式会社によると、ある節水タイプの便器では、トイレの「小」と「大」それぞれの1回における水の使用量は、「小」が3.6リットルで「大」が4.8リットル程度とされています。「大」のほうが「小」よりも1.2リットル多めです。 トイレの水道代を算出するには、水道料金における「水道料金」と「下水道料金」をベースに考える必要があり、その料金体系は自治体によって微妙に異なります。例えば、東京都水道局における1ヶ月分の料金は、図表1, 2の通りです。 図表1
東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」の水道料金(1か月分)をもとに筆者が作成 図表2
東京都水道局「水道料金・下水道料金の計算方法(23区)」の下水道料金(1か月分)をもとに筆者が作成 図表1, 2の料金体系を「従量料金」と呼び、全国の水道代の算出においてはこの仕組みが用いられています。なお、料金単価は自治体によって異なります。 水道料金は1立方メートルごとで区切られており、1立方メートルをリットルに換算すると1000リットルです。そのため、東京都水道局の場合は、トイレの水1リットルあたり0.11~0.345円の料金が発生します。 ■トイレにおける年間の水道代はどれくらい? 下水道代は、「基本料金+従量料金」の2つで構成されています。基本料金は「呼び径」と呼ばれる水栓ネジの外径の大きさによって異なり、水の使用量と関係せず毎月決まった料金が請求されるものです。そのため、今回の計算では基本料金を考慮せず、純粋なトイレの水量にかかる金額を求めます。 仮に上記TOTOの便器を使用している4人家族が、1日にトイレに行く回数がそれぞれ3回で、そのうち「大」を使った回数が1回で「小」を使った回数が2回と仮定します。 このときの水の使用量は「4.8リットル×4回+3.6リットル×8回」で、30リットルです。1ヶ月間(30日)だと900リットルまであがります。この数値を先ほどの東京都水道局の料金にあてはめると、900リットルは0.9立方メートルです。 今度は同じケース家族構成とトイレの回数で、すべて「大」を使ったと仮定します。この場合「4.8リットル×12回」で1日あたり57.6リットル、1ヶ月だと1728リットル(1.728立方メートル)です。 どちらも東京都水道局の料金にあてはめると、水道料金は0円、下水道料金は560円と毎月の水道代に大きな影響を与えていないことが分かります。たくさん使っても、2立方メートルに届くか届かないか前後であるため、風呂やキッチンといった水道の影響のほうが大きいといえるでしょう。 ただし、「大」の使用で「小」の1.3倍ほど水量を使っている事実は変わりません。細かく節約していくなら、「小」と「大」をうまく使い分ける必要があるでしょう。
トイレは基本的な使い方をしていれば問題ない
水道代ではなく衛生的な観点でいえば、節水を目的として大便を無理に「小」で流すことはおすすめできません。小便を「大」で流す分には問題ありませんが、逆の使い方は詰まりや故障の原因になり得ます。トイレの「小」と「大」とで水道代の大きな影響は出ないため、心配な場合は「大」を使うとよいでしょう。 出典 東京都水道局 水道料金・下水道料金の計算方法(23区) 東京都水道局 水道料金について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部