タオル産地・今治で70年…染色会社のアイデア商品が話題!ユニークな発想を生みだすヒントとは
関原さんの上司、福岡さんもその企業風土に染まった一人です。 西染工 商品事業部 福岡友也部長: 「社風としてなんでもやってみろというのが許されていますので、ある程度常識の範囲で勝手にやっております」
廃棄される厄介者が 逆転の発想で大ヒット!
実は西染工、2年前ほど前にある取り組みで一躍名を馳せました。その中心人物だった福岡さん。 福岡部長: 「『THE MAGIC HOUR』というアウトドアブランドを立ち上げました」 商品の第1号がこちら。 「着火剤です」 「今治のホコリ」という商品名でおなじみとなりました。
乾燥して火が付きやすく、繊維製品を扱う工場では火災を引き起こす厄介者だったホコリ。その特徴を逆手に取り商品化しました。捨てるしかなかった綿ぼこりの量をおよそ70%削減できたといいます。 福岡部長: 「弊社は元々染色業なのでエネルギーを大量消費する。タオルを染めるためには生地を濡らしてそれをまた熱をかけて染色して、熱をかけて乾かすとエネルギーを大量消費する。かなり前から省エネ委員会を立ち上げてできる活動をしてきた。ブランドを立ち上げるのであれば、地球環境を考えた製品づくりをと考えていた」 環境に配慮した製品づくりが話題を呼び、去年トレンドを扱う雑誌の「地方発ヒット商品」の大賞にも選ばれました。 Q.給料アップですか? 福岡部長: 「残念ながら変わっておりません(笑)考えたものが形になるのはやっぱり楽しいことで、それができる環境はありがたい」 「今治のホコリ」に続き、今回関原さんが考案したプルオーバーシャツもエネルギーの使用量削減を意識しています。
社員一丸となって省エネ活動 環境負荷の少ない加工技術を導入
関原さん: 「染色工程で精錬漂白という生成のものを白くする工程の一部を省くことでエネルギーの削減に繋げています」 デニムの色合いを楽しめる製品にと、通常の染色工程を一部省きました。 関原さん: 「使っていくうちに色落ちしていく。その表情を出すためにそういう作業をしています」 その結果、従来の染色工程と比べ電気・ガス、水の使用量がそれぞれおよそ40%削減できたといいます。
西染工のブランド「THE MAGIC HOUR」のアパレル商品第1号となったプルオーバーシャツ。 福岡部長: 「彼のこだわりも入っているし染め方も染屋としてのこだわりがあったのでそこが受賞の理由かなと」 プルオーバーシャツは西染工のホームページで販売しているほか、来月中旬からおよそ1か月間、東京の大手総合雑貨店で期間限定で販売される予定です。 関原さん: 「僕が出したアイデアを採用してくれる上司なので作りたいものは今後も作っていきたいと考えています」 新しいアイディアの商品を生み出す染色加工会社。新しい発想の中に、企業が元気になるヒントがあるのかもしれません。